REGULAR【連載】

20170423-01

 

 こういう仕事をしていると、TwitterのようなSNSで発言した内容に対してあれこれ言われたりします。書いた記事やTVで喋ったことに対して言われる(書かれる)こともあります。

 

 どんな意見を持とうが人それぞれの自由だと思いますし、それは尊重します。でも、日本のファンの一部には、自分がこうだと思っていることと違うことを書かれると途端に誹謗中傷したりボロクソに言ったりする傾向があるような気がします。アロンソのネガティブなことを書けばアロンソファンに批判されるし、ホンダのことを少しでも良く書けばアンチホンダの人に批判されるし、韓国GPのことを「一部のメディアで報じられているような状況じゃない」って書いただけでボロクソに言われるし。

 

 でも、僕は基本的にファンの人たちが知りたいことを取材して調べてありのままに書くことがこの仕事の本分だと思っているし、そうしています。だけどそれは、ファンの人たちが書いて欲しいこと(言って欲しいこと)を書くというのとは違います。時には不都合な真実もあるし、みんなが思っていることと違うこともたくさんあります。

 

 そういうときにどうすべきか? 例えばフェルナンド・アロンソのネガティブなことを知り得た時に、アロンソファンのことを考えて悪いことは書かないべきか? マイルドな表現にすべきなのか? それとも真実を書くべきか。

 

 僕は真実を書く(喋る)ことを選びます。自分が自分の目で見て、自分の耳で聞いたことを書きます。悪いことは書かない、マイルドな表現しかしない、そんな報道じゃ、つまらなくないですか? それこそ、よくマスゴミとかいって批判されるやつですよね?

 

 もちろん、どんなことを書く際にもその対象に対して敬意は持っているつもりだし、その上で知り得たことを公平に書いているんですが、それがファンの思っていること(例えば理想のアロンソ像とか韓国GPが無茶苦茶だというイメージ)と違うと、もう個人攻撃みたいなことを言われちゃうんですよね。

 

 実際にアロンソと仲の良い人に言われるとか、韓国GPに行った人に言われるなら、それはその人の見方だから、「そういう見方もあるんだなぁ」とか「僕の取材が足りなかったかなぁ」と思うでしょうけど、そうじゃない人に言われても「はぁ?」って感じなんですよね……。

 

 どんなに経験豊富で高名なジャーナリストでも、現場を離れて久しいとそういう感覚も薄れてしまうんだなぁということを痛感することもあります。自分が(ネットで見て)知っている情報と違うことを「くだらない」と一蹴してしまったら、そこでお終いです。

 

 インターネットでなんでも調べられる時代だけど、実際に自分の足で情報を集めると、ネットに書かれていることの全てが事実だとは限らないし、むしろ本当の不都合な真実の部分はそう簡単にネットなんかに出ていないということが分かります。そりゃ関係者は自分に不都合なことはそう簡単には言いませんし、中国や韓国に行けばヨーロッパの人たちが現地の人に対してどんな態度を取っていて、どんな色眼鏡で見ているかということがよく分かると思います。

 

 ネットには“知識”はあるかもしれないけど、“経験”はない。経験を伴わない知識は、しょせん薄っぺらなものでしかないと僕は思います。自分の目で見て耳で聞いてみると、現実はネット上にある知識とは全然違うことも多々あります。こういう時代だからこそ、現実は刻々と変わっていくし、ネット上の知識はとっくに古くなっていたりもする。ましてや、F1のような進歩の速い世界では

 

 ネットの知識だけで全てを知った気になっていると、大きな誤解に繋がってしまうんじゃないかと僕は思います。

 

(text and photo by 米家 峰起)

 

 

 

 

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