REGULAR【連載】

20150403-01

 

 最近、現場の日本人ジャーナリストの間でしきりに話題になることがあります。“Felipe Nasr”をどう表記するかということです。

 

 日本の雑誌やウェブサイトでは、ナッセだったりナッサだったりナセルだったりいろいろですが、例えばフジテレビは一応“ナッセ”ということになっていて、それに引っ張られる形で専門誌もナッセと表記しているケースが多いようです。

 

 が! ナッセというのはどうも気持ち悪い! だって、現場で“ナッセ”なんて呼んでる人は一人もいないんだもん!

 

 彼はブラジル人ですが、彼のおじいさんがレバノン人で、Nasrというのはブラジルの母語ポルトガル語ではなくアラブ系の名前なんですね。アブダビの有名な高級砂漠リゾートにAl Qasrというのがあるんですが、これは英語でいうところのCastle(キャッスル=お城)にあたる言葉で、日本語表記ではアル・カスルとなっています。

 

 だったら、Nasrもナスルでしょ?

 

 英語読みだと「ナザー」になるので、イギリス人は割とそう呼んでる人もいますが、そういう人はたとえばJules Bianchiだって「ジュールズ」と読みますし、Rosbergだって「ロスバーグ」と呼んじゃうわけで、イギリス人の発音はこの際無視しましょう(笑)。

 

 でも、英国SkyはF1公式サイトにも使われていたりするので、かなり各ドライバーの母国語読みに近く正確に発音しています。例えばVettelだって「フェッテル」と発音していますし、最初の頃は「リキアード」と英語読みだったRicciardoだって今では「リカルド(本当はリカードに近い音)」と呼んでいます。

 

 日本では新聞はかなり母国語の発音に正確に表記する傾向にありますが、専門誌・専門番組などでは詳しい人がいなかったりして割といい加減なノリで決まっていたりします。グロージャンもいまだに「ロメイン」なんて表記されているところもありますよね。普通にフランス語読みするだけで「ロマン」なのに。

 

 フジテレビではおぐたんこと小倉茂徳さんがマカオGPの際にナスル本人に発音を聞いて「ナッセ」と表記するようになったようですが、実際のところブラジル人やアラブ系の人に聞くと「ナ(ッ)スル」という感じの音なんですよね。耳で聞いた音をカタカナで表記すること自体がまず無理があるしそこに個人差が生じるんですが、「ナ」にアクセントがあるのでその後に「ッ」が入るようにも聞こえるというのがまずひとつ。それから、「sr」の発音はご覧の通り母音がなく「ス(ル)」と語尾が消えていくような音なので、「スル」とも「セル」とも「セ」とも書こうと思えば書けるような音なんですね。

 

 でも、カタカナで「ナッセ」と書いて「ナッセ」と発音すると、やっぱり元々の音とは明らかに違う。「ナッセ」なんて読めないし、書けないよ〜〜〜〜。あ〜〜〜〜、気持ち悪い(苦笑)。

 

 まぁ、そんなこと言ったらButtonだって「バトン」って呼んでるけど、実際には洋服に付いてる「ボタン」ですからね。ステアリグに付いている「ボタン」も同じです。まぁ、日本語のカタカナ表記なんて、いかにいい加減なものかということですね。ちなみに、Buttonの英語発音を限りなく正確にカタカナ表記するならば、「バァッゥン」という感じです。ttは発音しないんです。

 

(text and photo by 米家 峰起)

 

 

 

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Comment

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  • コメント (1)
    • ManGok
    • 2015年 4月 03日

    これは自分も気になってました
    中継で間違えないか心配ですね(笑

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