2014 Rd.17 UNITED STATES

20141105-01

 

 ルイス・ハミルトンがコース上でニコ・ロズベルグを抜き去って逆転優勝を果たしたUSGPだが、メルセデスAMGはあのベルギーGP以降、両ドライバー間で戦略の差が出ないよう両者で異なる戦略を採ることは許さない方針にしていたことを明かした。

 また、エンジン開発凍結緩和や小規模チーム救済策についても、エグゼクティブディレクターのトト・ウォルフに聞いた。

 

ーーこれでメルセデスAMGは今季14勝、ルイス・ハミルトンは10勝目です

「私は統計や数字のことにはあまり興味はないが、私は今でも20数年前のマクラーレンの2台が勝ちまくっていたあの圧勝を思い出すし、今年の我々がその記録に並ぶかそれ以上の記録を打ち立てる可能性すらあるということは、チームが達成したことの偉大さを示すという意味で、非常に誇らしく思うよ」

 

ーーどうして今日は2人のドライバーにほぼ同じ戦略を採らせたんですか?

「シーズン前半戦には2人のドライバーに異なる戦略を採らせて、いろんなことが起きたからね、それを思い出して欲しいね(苦笑)。実は(ベルギーGPで)ああいうことが起きた後、我々は2人のドライバーに同じ戦略を採らせることを決めたんだ。戦略の善し悪しでどちらかのドライバーが勝ち、どちらかが負けるというようなことにならないよう、それ以降は常に2台を同じ戦略で走らせることにした。

 2台を同じ戦略で走らせることは、チームにとって常にベストだとは限らないが、仕方ない。そのせいで我々は(ベルギーGPの)レースを失ったんだからね。他チームに対してマージンがあるから、これくらいのリスクをとることは可能だと判断したんだ」

 

ーー最終戦はダブルポイントであるにも関わらず、これでドライバースチャンピオン争いはメルセデスAMGの2人に絞られました。この制度は正しかったと思いますか?

「最終戦のダブルポイントというのがシーズンに影を落とす可能性はあると思う。しかしなぜダブルポイント制が導入されたのかも分かっているし、ファンにとってレースが面白いものにするためであることは妥当だと考えられたから導入されたわけだ。ただ、こうなるとダブルポイント制が結果を大きく左右する可能性があるからね」

 

20141105-02

 

ーー今週はF1が抱える問題がクローズアップされ、改革を求める声が高まっていますが、ビッグチームだけがどんどん有利になって下位チームが置き去りにされるという今のF1のあり方について、メルセデスAMGとしてはどのように考えていますか?

「ビッグチームはF1におけるメインキャストであり、今のレギュレーションが策定された当時はこれが最良の方法だと思われていたから合意がなされたんだ。しかし小規模な新規参入チームが消滅の危機に立たされている今となっては、レギュレーションが好ましくないものになっていると言うべきかもしれないし、バーニーがどのようは判断を下すかを我々も待っている。我々ビッグチームとしては小規模チームを助けるために話し合いが必要ならばその席に着く用意はあるよ」

 

ーー下位チームはストライキも辞さない構えだと言っていますが?

「エールフランスにしてもルフトハンザにしてもストライキには困らせられているから(苦笑)、ストライキは良くないと思う。F1にとってはプラスにならないだろう。それよりもFIAやFOMも含めて中小チームと話し合って打開策を見い出せるよう努力をすべきだ。すでに彼らとバーニーとの話し合いは今週末中にも進んだようだし、何らかの策が講じられることになると思うよ」

 

ーーパワーユニットの開発制限緩和について、話し合いは進みましたか?

「現状のレギュレーションでもパワーユニットの開発はほとんど凍結されていないも同然だと我々は考えている。実際、来年に向けて開発が凍結されているのはパワーユニット全体のうち8%過ぎないんだ。92%は変更が可能なわけだ。しかし他のパワーユニットメーカーは2月28日のホモロゲーション期限以降も開発を可能にしろと求めている。シーズン開幕後にもう一度ホモロゲーションを行なうことにし、開発時間を長くしようと言っている。

 それをやれば第2スペックのパワーユニットが設計され、おそらくは夏かそれ以降に投入されることになる。使用できるのは常に(全車)同一のスペックであることと定められているからね。そうなれば、我々にとっては4チーム計8基のパワーユニットを用意しなければならなくなる。コストの増大は大きい。ホンダは2基、フェラーリは4基、ルノーも4基で良いが、我々にとっては(第2スペック開発が可能になれば)予算への影響が大きいんだ。

 もちろん、毎年レギュレーションを変えるようなことはしたくないし、長期的な視点で安定化を図るために必要な妥協案を模索してはいる。だから経済的な影響はどうか、ロジスティクス的な影響はどうかといったことを検討しているんだ。その数字を持ち寄ってサンパウロで話し合う予定になっている」

 

ーーメルセデスAMGはパワーユニットのカスタマー供給料金が1900万ユーロ(約27億円)と言われていますが、カスタマーチームへの供給料金の値下げはある?

「それ以下だね。我々はパワーユニットとしては最良の価値を提供できていると思うし、すでに純粋なコストという点でも我々のパワーユニットはベストだと思う」

 

20141105-03

 

(text by 米家 峰起 / photo by MercedesAMG)

 

 

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