02/22
【バーレーン合同テスト・3日目】J・バトン「こんなマシンだからこそ楽しいんだ」(2/2)
マクラーレンのジェンソン・バトンは、3日目の午後にロングランを行ない、レギュレーション規定に沿った100kgの燃料のみでレースシミュレーションを走破して見せた。
燃費面が懸念される今シーズンのF1だが、カレンダーの中でも最もエンジン全開率が高く燃費が苦しい部類に入るこのサーキットでのレース完走は、非常に勇気づけられる結果だと言える。
そんなバトンに、レースシミュレーションを行なった感触と得た教訓、マシンMP4-29のフィーリングについて語ってもらった。
ーー2014年のF1マシンはドライバビリティが厳しいのではないかと思っていたのですが……。
「いや、最初に乗った瞬間から不安になるような挙動ではなかったし、挙動の予想もつくし、いわゆる普通のレーシングカーだったよ。現時点では最速というわけではないのも事実だけど、これだけのベースラインがあればここから速くしていくことは充分に可能だよ。ここまでの進捗にはとても満足しているよ」
ーーGP2より遅くなるようなことはない?
「今年のクルマはストレートがものすごく速くて、コーナーに入っていくと速くはない。まだダウンフォースはかなり劣っているけど、それはどのチームも同じだと思う。今日僕たちよりも速かったマシン(メルセデスAMG)と比べれば、どこが自分たちの弱点なのかは分かる。だけどシーズンが進む中で(パワーユニットだけでなく)マシンの空力面もメカニカル面も進化させていくことになる。それを踏まえれば、今の僕たちはまずまずのポジションにいると思うよ」
ーースロットルのコントロールは難しい?
「トルクが太いから、これをコントロールするのはトリッキーで難しい。それにエンジン本体以外にもいろんな音がするから、ホイールスピンを感じ取るのが難しいんだ。特に燃料が重い時にタイヤがタレ始めたのを感じ取るのはトリッキーだね。
でも、そんなマシンをコントロールするのが楽しいんだ。常にそのトルクを制御するのが自分の右足にかかっているんだからね。だから僕はこのマシンも好きだよ」
ーーこのエンジン音は魅力的だと思いますか?
「音が最高じゃないのは事実だ。僕だってV8の甲高い音が恋しいよ。それよりもV10はもっと最高に良かったしね。でもこれが今のF1だ。それにエンジン以外にもターボやウェイストゲートなどいろんなシステムが音を発していて、そういう面白さもあるよ」
ーー勢力図の予想は難しい?
「まだ分からないよ。でも開幕戦で勝ったマシンがシーズンを通して勝ち続けるというのはかなり難しいと思う。なぜなら、これだけレギュレーションが変わると、シーズンが進む中でダウンフォースが取り戻される余地は大いに残されているし、パワーユニットの改善の余地も大きいだろうし、マシンは大きく進化していくだろうからね」
(text by 米家 峰起 / photo by Wri2)
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