RACE【レース】

20140222-03

 

 バーレーン合同テスト4日目は前夜の段階で予定が変更され、マーカス・エリクソンに引き続きプログラムを行なわせるべく午前中を彼に割くこととなり、小林可夢偉の走行は午後のみとなった。バッテリーユニットにトラブルが発生したためこの日の走行は1時間のみなり、結果的には同じことだったが、たった1時間の走行でもケータハムはMGU-Kをフルパワーで使うなど大きく前進を果たすことができた。

 

 マシン挙動という点では、それに起因してリアブレーキに異様な挙動が生じたと可夢偉は明かす。しかし同時に、パワーユニットの運用さえ問題なくできるようになれば、中団勢と戦うことも十分に可能なのではないかとの手応えも掴むことができている。

 

 12日間のうち8日間のテストを終えた可夢偉に今の状況を聞いた。

 

ーー2回目のテストも終わってしまったけど、たった17周であっという間だった?

「いやいや、長かったよ。乗ってる時間はすごく短く感じるけど、待ってる時間は長く感じるから、今日は長くて長くてしょうがなかったわ(苦笑)」

 

ーー午前中のトラブルは?

「バッテリー系ですね。それでずっと待たされてました」

 

ーー走行は最後の1時間だけになってしまったけど、内容は?

「ブレーキング時のエネルギー回収のテストをしたんですけど、トラブルがあった中で17周とはいえそのテストができただけでも良かったなと思いますね。次のテストまでの4日間に解析できるデータが収集できましたからね。クルマがとてつもないことになっててマトモに走れる状態じゃなかったんで“走り”としては全然なんですけど、“内容”としてはこれだけはやってて良かったなっていう。この最後の17周っていうのが意外に大きかったなと」

 

ーー今回のテストでやりたかったのはそこだった?

「そう、やっとここにきてエンジンが(最低限走れるようになって)やらしてくれるようになったから」

 

ーーロータスはフルパワーで走れたと言っていますが、ケータハムは?

「走れてません!(苦笑) なんで違うんですかね?(苦笑) まだフルパワーでは走れてませんね……ロータスが使えたっていうのはちょっとビックリです」

 

20140222-04

 

ーー1分43〜44秒台くらいの巡航ペースだったけど、その走っている時の『とてつもないことになっている』というクルマの状態というのは?

「『こんなの走れねぇよ!』っていう状態になってますね。2日目よりも酷くなってますよ、ブレーキ回生の容量を120kWにしたからね。

 それを、この4日間でどれだけデータを解析して次のテストで修正できるかですね。やることはたくさんあるんですけど、今までそれすらできてなかったんで、とりあえずそこまで行けたというだけでも進歩って言えるんじゃないですかね。それが今日の17周の収穫ですね」

 

ーーでも今の表情を見てると、かなり気が楽になったのかなと思ったんだけど。

「なってないよ、メルセデスAMGのあんな1分33秒台なんていうタイムを見たら、別世界のクルマに見えてしょうがない。ストレートだって最高速が向こうは330km/hでこっちは300km/hで、30km/hも違っててるんですよ。30km/hっていうたら、原付の制限速度ですよ。想像してみてください、道路に立ち止まっててすぐ横をバイクが通り過ぎるくらいの感じで、僕は300km/hで走りながら抜かれてるんやからね(苦笑)。

 

 ルノー勢だけで別カテゴリーで、フォーミュラ・ルノーって作ってくれてその中でチャンピオン争いをするとかやったら良いけど(苦笑)。なかなか頭が痛いっすよ」

 

ーー走る前にガレージ内でクルマが準備できるのを待ってる時、すごく厳しい表情をしているなと思ったんだけど。

「厳しいっていうか、『どうすんのかなぁ、これ』って思って。あそこで笑顔になってたらヤバいでしょ。さすがの(ダニエル・)リカルドも厳しい表情してると思うで、今は(笑)。

 いやね、時間さえあれば僕には気持ち良く走れるクルマを作ることはできるわけですよ。でも(開幕までテストが充分にできなくて)気持ち良く走れるどころかマトモに乗れないようなクルマにいきなりレース本番で乗らされるって、かなりツラいで。

 

 今日だって(コースインして)1周目の1コーナーでブレーキングしたらリアがロックしてパカーン!って流れて、(1コーナーとは)反対向いてガードレールに真正面に向いてたんで(苦笑)。1コーナーが右やからステアリングはそっちに切ってるからクルマもそっちに流れるんならまだしも、なぜか反対側に流れたからね。そんなん聞いてないで(苦笑)。あんなのは初めて。

 

 バーレーンやったら壁がないから良いけど、メルボルンやったら壁やからね、ヤバいで(苦笑)。あれがメルボルンやったら、あの時点で壁にグサって刺さってたと思う。メルボルンではそうならないことを祈りたいですけど、そんなレベルじゃまずレースにならないですからね。まずはレースができる状態に持っていくことが大事ですね」

 

ーーヘレスでもブレーキが不安だっていうのはあったけど……?

「でも今回は2日目に結構走り込んでたから、その感覚で出て行ってるわけですよ。でもそんな状態やったから、『そんなに酷いんですか!?』っていう感じやったよ」

 

(text by 米家 峰起 / photo by 米家 峰起, Wri2)

 

 

Related Articles

Comment

  • トラックバックは利用できません。
  • コメント (0)
  1. コメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。

Recent Post【最新の記事】

Calendar【日付で記事検索】

2019年8月
Mon Tue Wed Thu Fri Sat Sun
« Jul    
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031