【特別レポート】長谷川総責任者に聞く開発低迷の理由「今のホンダは経験不足。開発ノウハウを蓄積するまでの苦しさを味わっている」
カナダGP土曜日のマクラーレン・ホンダ会見『Meet the Team』において、ホンダの長谷川祐介総責任者に対して「あなたは辞めないのか?」と詰問した記者がいた。
ーーホンダは依然として振るわない状況なのに、あなた以外に誰かプロジェクトを牽引する人間はいないのですか?
「それはあなたの意見ですか? どういう意味ですか?」
ーー他の人に開発責任者の役職を譲ることは考えていないのかと聞いているんです。
「非常に難しい質問ですね。確かに我々は現状では成功を収めている状況とは言えません。その点については落胆していますしフラストレーションを感じています。私以上に上手くこのプロジェクトを率いることのできる人物がいれば、もちろんハッピーではありませんが役職を譲っても良いと思います。しかし今、私にできるのは自分のベストを尽くすことだけですし、そうしています」
長谷川総責任者そう答えたが、その『The Daily Mail』記者はカナダGP後にマクラーレンとホンダの提携解消が決定的になったと報じ、その記事に引用するための質問だったと見られるが、イギリスを中心に今季のホンダのパフォーマンス不足の責任をどう取るべきかという見方が強まってきているのも事実だ。カナダGPで入賞目前ながらブローアップでチャンスを逃したことで、大きな失望を味わった日本のファンからも同じような声が上がっている。
こうした世間の風に対して、ホンダは沈黙を貫いている。結果が出るまでは何も言うべきではない、自分たちに全責任があるのだから、というのがホンダの考え方だ。
この状況について、長谷川総責任者はどう考えているのか。そして、どうしてホンダのパワーユニットは性能が伸び悩んでいるのか。開発が遅々として進まないのはなぜなのか。ホンダの技術力に問題があるのか、それとも組織か。改めて長谷川総責任者に聞いた。
ライバルに追い付くのは、時間さえあればできる。しかし、現段階では経験とノウハウ不足が開発を遅々としたものにしてしまっている。それをいかに短くできるかの勝負だと長谷川総責任者は語る。(本文:4540文字)
ーー外部から人事についてあのように言われることについてはどう感じましたか?
「結果として上手くいっていないのは自分の責任ですし、残念ですけど、今の状況では反論もできません。頑張っていますと言ってもしょうがないですし。もっと良い人がいるならやってもらえば良いと思いますけど、今のホンダの中では自分がベストだと思っていますし、自分じゃなければここまでできなかったと思います。ただ、それでも足りないということです。それに対してどうするか、会社として結果責任をどうとるか。他に誰かできるかなとずっと考えてたんですけど、人間が代わればどうにかなるものではないと思いますし」
ーーただ、長谷川さんご自身が具体的にパワーを上げるためのアイディアを出すのではないわけですし、トップを代えろ云々というのは話が違うような気がしますが。
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ホンダPUの開発速度は、MercedesAMGと同等かそれより少し速い。
それでも、怒られるのは、組んだ相手が Mclarenであり、Alonsoだから。
ホンダワークスチームとして、もしくはSauberや他の中小チームと始めていたらここまでは言われていなかった。
長谷川さんが言ってるように、撤退してから開発を再開するまでの6年の空白が無ければ、もっと速く追いついただろう。
再開の時の目論見が甘過ぎた、というのが原因。
とは言っても、時間は巻き戻せない。
長谷川さん、大変。
もう少し、だとは思うが….
2019年からこのインタビューを読み返すと感慨深いですね。