02/06
【KENWOOD製マクラーレンの無線の秘密(3)】決勝が終わるとそのまま長い撤収作業へ
F1チームに無線を提供するというのはどういうことか。他チームは既製品を使ったりもしているが、マクラーレンの場合はケンウッドの特注品を使用している。そのため、同社のシステムは最新技術を投入して常にアップデートされているという。
F1担当になる前はイギリス勤務で設計を担当していたというケンウッドの村木進司エンジニアに説明してもらった。
ーー何人のスタッフがF1に携わっているんですか?
「F1用の運営は計5人で、現場で動いているのは私も含めて2名で、あとは設計に携わっているスタッフです。機材の設営は2日間だけ2人ですが、あとはずっと1人で運営しています。何も問題が起きなければ特に支障はありませんが、何か起きた時は大変ですね……」
ーーレース後の撤収作業は?
「シンガポールGPでいうと、決勝が終わったらそのまま機材の撤収作業に入って、梱包作業まで全て終えるには朝の7〜8時くらいまでかかりますね。ヨーロッパラウンドであればトランスポーターに放り込むだけで良いんですが、フライアウェイは箱に収納してさらに輸送コンテナに収めなければなりませんから大変です。収納する順番もありますから、チームの他の機材が手間取っているとそれを待たなければならなかったりもしますし。日曜日が一番長い日ですね」
ーーシステムの設計変更もある?
「システムは最初に入れてしまえばあとは変更することはあまりありませんが、新しい技術は日々出てきますし、マクラーレンからも要求してきますし、それに応えていかないといけませんからね」
その言葉通り、2014年シーズンに向けてケンウッドは新システムを開発し、開幕前のテストで運用試験を行なっている(上写真)。初運用となったヘレス合同テストでは新システムと併せてバックアップ用に従来型システムも用意しなければならず、村木エンジニアを始めケンウッドのスタッフは大忙しだった。
ヘレスでは特に大きなトラブルもなく運用できたようで、次のバーレーンでチームがどう判断するか楽しみだ。新システムがどう進化しているかなど、新たに取材してお伝えする予定だ。
(text and photo by 米家 峰起)
Comment
- トラックバックは利用できません。
- コメント (0)
コメントはありません。