REPORT【報道】

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 GP2のオーガナイザーとして代表を務めるブルーノ・ミシェルは、やり手だ。2005年の発足以来、バーニー・エクレストンやルノー、ダラーラなどと深い関係を築き、GP2を盛り上げてきた。ルイス・ハミルトンやニコ・ロズベルグなど、2014年のF1ドライバー20人のうち9人がGP2出身者であることがそれを物語っている。

 

 しかし、GP2にはコストの高さやF1へのステップアップに繋がらなくなっているという批判の声も聞かれるようになってきた。2012年王者のダビデ・バルセッキ、2013年王者のファビオ・ライマーがF1への道を見いだせないでいるのがその好例だ。そしてレッドブルやマクラーレンはGP2よりも安価なワールドシリーズ・バイ・ルノーへと育成ドライバーを送り込んでいる。

 

 こうしたGP2を取り巻く状況について、代表者であるミシェルはどう考えているのか。2013年イタリアGPの週末、モンツァに置かれたGP2シリーズのモーターホーム内にある彼のオフィスで聞いた。

 

ーーGP2の存在意義をどう考えていますか?

「GP2の最大の役割は、若手ドライバーをF1に送り出すことだと考えている。GP2が発足してからの9年間で、これまでに何人のドライバーがGP2からF1にデビューしたかを見れば、GP2の存在意義というのは明らかだろう。いったい何人いたか、数え切れないほどのドライバーがF1にステップアップしたんだ」

 

ーーGP2に参戦するメリットというのは?

「マシンはF1に限りなく近いパフォーマンスを発揮し、なおかつ素晴らしいレースを可能にするものでなければならない。そして若手ドライバーのF1へのステップアップに向けた準備を可能にすること。

 GP2はF1のサポートレースとして同じサーキットで開催されるから、グランプリサーキットを学ぶことができる。タイヤもF1と同じであり、タイヤの使い方というものを学ぶこともできる。F1パドックの目の前でレースをすることで、F1村の人々に自分たちの走りを見てもらうこともできる」

 

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ーー年間2億円を超える参戦コストは高すぎるという批判の声もあります。

「こうしたGP2が提供しているものを考慮すれば、GP2のコストは決して高いものではない。充分な資金さえあれば、どんなドライバーだってGP2に参戦したいと考えているはずだ。他のカテゴリーに参戦するのは、資金がないからだ。それが今の現実だ。

 しかし、今のマーケットで望まれているコスト、用意可能なコストというものがどのくらいであるかということも分かっている。現在のGP2のコストは、多くのドライバーにとって用意することが難しい額になってしまっている。2013年の冬は2チームを失った。幸い、すぐに後継チームが見つかりはしたが、今も財政面の問題を抱えているチームはある。我々は彼らを支えなければならない。シリーズがヘルシー(健全な状態)ならば、チームもヘルシーなはずだ。

 だから2014年に向けて我々は参戦コストを大幅に削減するための方策を採ることを決定した。ベストなドライバーたちにGP2に参戦してもらいたいからね。そのために大きな変更を予定している。予定していた新規シャシーの導入は取りやめ、エンジンやスペアパーツの価格は値下げする。さらに2013年は4つのフライアウェイ戦があったが、これを2つか3つに削減し、船便での輸送が可能な中東のレースのみとすることで輸送・転戦費もカットする。これにより来季の参戦コストは大きく変わってくるだろう」

 

ーー2011年に導入した現行型マシンGP2/11は本来なら3シーズンでその役目を終えて、2014年には新型マシンが導入される予定でした。

「このクルマ(GP2/11)は素晴らしいレースを演出している。今シーズンを見ても、退屈なレースなど1戦もなかっただろう? ピレリのタイヤ特性も、1ラウンドに2つのコンパウンドを組み合わせた点も、様々な戦略が生まれて大変上手く機能している。これを敢えて変更する必要性はないからね。

 GP2はこれまで3年ごとにマシンを新しくしてきた。それは常にF1にできるだけ近いものにしたかったからだ。性能面でも、ルックス面でもね。しかし2014年のF1は大きな技術変更が予定されていて、マシンがどんなものになるのか予測するのは難しい。だからこのタイミングでマシンを刷新することは賢明ではないという側面もあったんだ。

 もちろんコスト面の理由もあり、新規シャシーを導入するとなれば各チームにとっては大きな負担になる。GP3は今季から新型シャシーを導入したが、過去2年間はアップデートキットを提供することでかなり格安に性能とルックスの向上を図ってきた。GP2でも今後こうした方策が可能だと思っているよ」(2/2に続く)

 

(text by 米家 峰起 / photo by GP2)

 

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