REPORT【報道】

 

 

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 そもそもマクラーレンは参戦コストの高いGP2に対して否定的で、自チームの育成ドライバーであるケビン・マグヌッセンとストフェル・ファンドルネには同レベルのパフォーマンスで参戦費用が安価なフォーミュラ・ルノー3.5を戦わせていた。全く別件の取材でGP2の優位性について聞いても、チーム関係者からの答えは寂しいものだった。

 

 それをひっくり返すに足るだけの資金提供がホンダからなされたとみるのが当然だ。アブダビGP翌週にヤスマリーナ・サーキットで行なわれたGP2のテストではファンドルネが3日間にわたってテストドライブを行なっている(マグヌッセンはF1ステップアップの決定直前だったため急きょ参加取りやめ)。うち2日間はARTをドライブしている。

 

 ホンダは昨年末までにイギリス・ウォーキングにあるマクラーレンのファクトリー、マクラーレン・テクノロジーセンターに若手ドライバー3名を送り込み、F1界随一と言われるマクラーレンのシミュレーターを体験させチームの育成ドライバーテストを受けさせたという。そしてその“合否発表”が年明けには行なわれると言われていた。

 

 その3名とは、日本国内で走るホンダの育成ドライバーの筆頭株である伊沢拓也(29歳)、塚越広大(27歳)、山本尚貴(25歳)だったと言われている。年末の時点では「どうやら塚越を乗せるべく動いているようだ」と漏れ伝わって来ていたが、ドライビングセンスだけでなく技術的知識や英語でのコミュニケーション能力も問われるF1チームのテストを経て、GP2に送り込むドライバーとして伊沢が選ばれたようだ。伊沢は2003年にドイツでフォーミュラ・ルノー、塚越は2008年にユーロF3を戦った経験もある。塚越は速さでは定評があり、まだブリヂストンがタイヤを供給していた頃にGP2参戦を模索したこともあるが、果たせずに終わっている経緯もあった。

 

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 ホンダは2015年のF1参戦を発表した際に、2015年についてはマクラーレン以外のカスタマーチームへの供給や日本人ドライバー起用の可能性をはっきりと否定している。しかし青山本社のモータースポーツ部の意向としては、将来に向けてドライバー育成プログラムをF1に繋がるようなかたちに方向修正することも視野に入れていた。

 

 参戦の意義を見失った第3期の轍を踏まないよう、2015年からのF1活動ではマーケティング戦略の中でF1をしっかりと有効活用しなければならないという明確な意思を持っている。2016年以降のカスタマー供給開始に伴って、日本人F1ドライバーを擁立する、もしくは国内からF1へ続く育成の道を確立したいと考えているのだ。その一部が育成ドライバー参戦のGP2への参戦だ。

 

 すでに莫大な金額をマクラーレンに対して投入しているホンダにとって、年間2〜3億円のGP2参戦費用など大した額ではない。どうせなら、こうして確保したシートを若手ドライバーがF1に向けて夢を持てるような場へと成長させてもらいたい。

 

(text by 米家 峰起 / photo by GP2, 米家 峰起)

 

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