REPORT【報道】

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 GP2のオーガナイザーであるブルーノ・ミシェルに聞く後編。コスト面だけでなく走行時間が少ない点など若手に厳しいシリーズであるとの批判もあるGP2だが、ミシェルはそれに対してどう考えているのか。ダビデ・バルセッキやファビオ・ライマーなどGP2王者がF1にステップアップできなくなりつつある現状についても追究した。

 

ーーフリー走行が30分しかなく、ほぼぶっつけ本番で予選に臨まねばならないことへの不満の声もあります。この走行時間が限られていることについてはどう考えていますか?

「それについては、いずれ良い報せをお届けできると思うよ。2014年に向けてはフリー走行の時間を長くすることを検討しているんだ。

 確かに現在の走行時間は充分とは言えないだろう。もちろん若手ドライバーは少しでも多くの走行時間が欲しいだろうし、フリー走行が10時間あれば10時間走りたいというはずだ。しかしGP2はF1のサポートレースとして開催しているため、サーキットを占有できる時間に限りがあるからね。

 だが、すぐに適応し能力を示すというのも、若手ドライバーにとっては重要な要素だ。F1の世界にはセカンドチャンスなどというものはないんだからね。どうすれば素早く適応し能力を発揮することができるのか、その方法を学ぶのも重要なことだと」

 

ーーGP2で成功するまでには年月、経験が必要だという批判には?

「2013年シーズンのタイトル争いを見れば、5人による争いになっている点も高く評価されるべきだし、うち2人(カラド、ナセル)は2年目のドライバーだ。彼らは経験あるドライバーたちと同等の戦いをしている。

 2013年のルーキーはフラインスやエバンスは参戦当初から非常に良い走りをしているし、クアイフェ-ホッブスもモンツァでは初優勝を挙げた。フラインスは開幕前テストもできず第2戦からの参戦という厳しい状況だったが、それでも2ラウンド目のバルセロナで優勝した。資金難で参戦を断念しなければならなかったが、彼が開幕前からきちんと戦うことができていたら、今頃は間違いなくチャンピオン争いを演じていたはずだ。

 そう考えれば、GP2で成功を収めるためには経験が必要だというのは、決して的を射た見方ではないことが分かるはずだ。もちろん経験は重要だが、才能があればすぐに頭角を現わすことはできる。ハミルトンだってヒュルケンベルグだって、初年度にチャンピオンになったんだからね」

 

ーーかつてはGP2でチャンピオンになるとF1への道が開けたのに、ここ数年はGP2王者になってもF1に繋がらないという批判もあります。

「過去9年でF1にステップアップできなかったGP2チャンピオンは2人だ。チャンピオンがF1にステップアップできなかったというのは残念なことだ。しかし今のF1は持ち込み資金がなければシートを獲得することはでいない、それが現実だ。8〜9年前とはそこが違う。我々としても支援はしたいが、資金的な問題は我々がどうにかできる問題ではないからね」

 

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ーーGP3と連携したステップアップのピラミッドについてはどう考えていますか?

「GP2とGP3のポジショニングはとても良い状態にあると思う。GP2はF1へのフィーダーシリーズとして上手く機能している。また、これまでのGP3は少しGP2とのギャップが大きすぎ、GP2にステップアップしたドライバーが慣れるのに少し苦労することになっていた。しかし2013年に導入した新型車両では400馬力のエンジンを初めとしてマシン性能が向上し、ちょうど良い差になった。レース数やコストの面でも完璧だと思う」

 

ーー将来に向けたGP2のビジョンは?

「若手ドライバーをF1に送り出すという目的を維持し続け、マーケットの声に耳を傾けて進化し続けることだ。その努力なくして優れたシリーズの運営はできないと思っているよ。

 レースカテゴリーを運営する上で重要なことは、常に“マーケット”が何を求めているのかに気をつけることだと思っている。それを正しく理解した上で、マシンのパフォーマンスがどのレベルにあるべきなのか、参戦コストがどのくらいの範囲に収まっているべきなのかを策定する必要がある。マーケットとは参戦する若手ドライバーやチームのことであり、それと同時にF1がGP2に何を求めているかでもある。事実、この9年間の中で状況は刻々と変化してきた。しかしGP2の哲学は変わっていないんだ」

 

(text by 米家 峰起 / photo by GP2)

 

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