REPORT【報道】

 2014年のニューマシンが発表されノーズの形状に非難の声が飛び交っているが、ヘレスで姿を現わしたマシンを実際に目にすると、さほど違和感はないというのが実のところだ。実際に走っている姿を見れば、尖ったノーズなどほとんど気にはならない。ローノーズが主流だった1990年代前半以前のF1を知るファンならば、全く違和感なく受け容れられるだろう。

 

 そのくらい、写真で見るとの実際に現物を目で見るのとでは印象が違う。写真はあくまでひとつの角度からしか切り取ることができない。実物を見てみないことには、複雑な3次元形状をしたF1マシンのフォルムは正確に把握できないものだ。それはこれまでもよくあったことだ。

 

 そこで、実際にヘレスで見た各マシンの印象を記しておくことにしよう。さらにルックスの良さを☆☆☆☆☆で5段階評価。もちろん、これは全て筆者の個人的な見解であることも付け加えておく。

 

【レッドブルRB10】☆☆★★★ 

20140205-31

 これまでとはガラリと変わったなぁというのが、ベールが剥がされた瞬間の第一印象。ノーズ先端はカーボン地のままで目立たなくしているが、真正面から見るとモノコックからノーズにかけてのフォルムがベタッとしてのっぺりしていてかっこ悪い。ジョン・バーナードが手がける前の1980年代後半のフェラーリやベネトンのような、ぼってりとしたフォルムだ。

 

 なによりレッドブルの最大の特徴だったサイドポッド後方の絞り込み方が全然違うのが目立つ。写真で見る以上に動いている姿は1980年代後半から90年代前半にかけてのF1マシンのような雰囲気と言える。

 

【メルセデスAMG F1 W05】☆☆☆☆★ 

20140205-32

 ノーズ全体が低く抑え込まれているだけに、精悍な印象を受ける。リアカウルのスリーポインテッドスター周辺が黒く塗られているが、走っている姿を見てもそんなに目立たず、ただのシルバー色のクルマに見える。

 

 後述するが、このメルセデスAMGとマクラーレンとザウバーをコース上で見分けるのはかなり至難の業だが、メルセデスAMGはまだグリーンのストライプが入っているので見た目が明るくて識別が可能だ。

 

【フェラーリF14 T】☆☆☆☆☆ 

20140205-33

 ヘレスで一番鮮やかに見えたのがこのクルマ。地味な色が多い今季のニューマシンの中では唯一とも言える明るい色で、特に良く晴れた日にはヘレスの眩しい太陽の光で美しく見えた。特に水色のアロンソのヘルメットとの組み合わせは美しい。

 

 途中からいきなり下がったノーズの形状に違和感があると思われがちだが、実物はそんなに違和感はない。むしろ2000年代中盤のマクラーレンのような精悍で鋭い印象を受けた。

 

 サイドポッドからリアエンドにかけてのラインがかなりコンパクトに絞り込まれているのも理由のひとつだと思われる。カウル後端が赤色ではなくカーボン地の黒色になっているのも、その印象をよりいっそう強めている。

 

【マクラーレンMP4-29】☆☆★★★ 

20140205-34

 ヘレスでの速さではなかなか定評のあったマクラーレンMP4-29だが、走っている実物を見ても正直ザウバーと見分けがつかない。ピカピカの銀色だけに、曇りの日は空が映り込んで余計にザウバーっぽい。ボーダフォンの赤色ストライプがなくなった影響は大きいし、クローム色単体ではくすんで見えてそれほど綺麗な印象は受けなかった。

 

 個人的には、ノーズ先端の細く尖った部分よりもその後方のガバッと広がったステー部分の方が目立つような印象を受けた。ワイドに広がった逆U字のステーが太いノーズ形状に見えて、あまり格好良いとは思えなかった。

 

【フォースインディアVJM07】☆★★★★ 

20140205-35

 黒が増えたせいか、インド色のカラーリングの個性が失われて印象が薄い。横から見るとオレンジが見えるが、前から見ると白に見える。そのノーズの付け根の白い部分だけが目立って、かなり角張った印象で格好悪い。ノーズ先端の出っ張りは黒いから目立たないが、塗装されているのでエッジの部分がピカピカ光ってうっすらと形が浮き上がるのが頂けない。

 

 ものすごく個性がないクルマだなというイメージになってしまったのが残念。チームスタッフのウェアも、黒地に細かなロゴがぺたぺたついているだけで、ブラジルあたりで売っていそうなパチモノのレースウェアのようだ……。

 

【ザウバーC33】☆☆★★★ 

20140205-36

 はっきり言って、走っているのを見るとマクラーレンMP4-29とソックリなのだが、こちらの方がさらに地味な印象だった。写真で見るとノーズの形は明らかに違うのだが、どうも実物をパッと見た印象では差はほとんどない。前後ウイングの白色と僅かな赤色を確認して、ようやくザウバーだと認識する程度。

 

 ノーズもサイドポッドも全体的に丸っこくて、去年までのザウバーマシンにあったフォルムの鋭さは消えてしまったように感じられた。

 

【トロロッソSTR9】☆☆★★★ 

20140205-37

 ノーズだけでなくコクピット前からモノコック全体がす〜っと低く落とし込まれていて、なんとなく”小さい”クルマという印象を受けた。あまりF1マシンぽくなくて、ちょっと前の下位カテゴリーのクルマのような。モノコックのヘリに入った赤とゴールドのストライプが意外と目立ってダサく、余計にそんな印象を強くさせているのだと思う。

 

 カラーリングのせいか、ノーズ先端の出っ張りが余計に目立ってしまっているようにも感じられる。それも鋭い形状ではなくワシ鼻のようなイメージに見えた。リアカウルのハンドペイントの赤牛など塗装仕上げ自体は美しいトロロッソだけに少々残念だ。

 

【ウイリアムズFW36】☆☆☆★★ 

20140205-38

 まだ暫定カラーリングで紺一色なのでなんとも言えないが、フォルム自体は個性のないクルマだなという印象。ただし、個性がないからこそ、もしかするとカラーリング次第では格好良くも見えるのではないかと思われる。

 

 前から見るとコンパクトなイメージだったが、走る姿を横から見るとすらりとしてスマートな印象を受けた。

 

【マルシアMR03】☆☆★★★ 

20140205-39

 最初にピットから出て来て見た瞬間、「白!」と思ってしまった。そのくらい、前から見るとノーズの白い部分だけが目立つし、そのせいか先端の黒い部分には全く目が行かない。

 

 しかし白い部分が目立つことでモノコックからノーズへと下がっていく角の部分が目立つし、そのあたりのフォルムがシンプルで直線的なだけに、全然F1マシンっぽくない。ちょうどマルシアと同じマノーのGP3マシンのような印象を受けた。

 

【ケータハムCT05】☆☆☆☆★ 

20140205-40

 写真では異様なフォルムをしているように見えるかもしれないが、実物は意外と格好良く見えた。目線の高さからだとノーズの下側までは見えないので、従来通りのハイノーズに、センターステーでフロントウイングがぶら下がっているような印象。走っている姿は鋭く見える。

 

 サイドポッドはまだコンサバで大柄だが、これからコンパクトに絞り込まれていけばさらに鋭さが増すはず。ルノーの黄色が消えてカラーリングが緑一色になってしまったのが、やや残念。どうせなら黄緑色が入ればモダンな印象になると思うのだが……。

 

(text by 米家 峰起 / photo by Wri2)

 

Related Articles

Comment

  • トラックバックは利用できません。
  • コメント (0)
  1. コメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。

Recent Post【最新の記事】

Calendar【日付で記事検索】

2021年8月
Mon Tue Wed Thu Fri Sat Sun
« Jul    
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031