REPORT【報道】

20140516-03

 

 スペインGPのパドックでは、一部でホンダが伊沢拓也をF1に乗せる準備を整えているとの噂も流れたが、これはかなり眉唾物だ。

 

 マクラーレンはARTと技術提携を結んでおり、両チーム間ではデータのやりとりも行なわれている。マクラーレンの今井弘エンジニアも、タイヤの使い方に関してかなりARTに対してアドバイスを送っているようだ。

 

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 逆に言えば、マクラーレンは自社の育成ドライバーであるストフェル・バンドールンと伊沢の詳細データも手にしており、両ドライバーを目に見える結果以外の部分でも評価できる立場にある。伊沢は「バンドールンは思ったよりも子供っぽく、頭を使わず突っ走っているようなところがある」と評しており、データ上では伊沢の評価も充分に高いようだ。

 

 ただしホンダはマクラーレンに対してドライバー選定を一任しており、チャンピオン獲得が可能なことを第一条件としているという。ホンダ自身も“本命”のマクラーレンに日本人ドライバーをわざわざ乗せるようなことは望んでいないはずだ。せいぜいリザーブドライバーとして名門チームの一員に据えることくらいだろう。

 

 バルセロナで聞こえて来たのは、2016年のカスタマー供給先に伊沢を乗せる方向で調整を進めているという話だった。

 

 しかし2016年のパワーユニット供給契約交渉はもちろん2015年のホンダの実績を見てからでなければ進まないだろう。仮に20〜25億円と言われるパワーユニット代金を無償供給とすることと引き替えに日本人ドライバーを1人乗せるというオファーを受けたとしても、全く戦闘力がないどころかレースを走り切る信頼性すらない可能性もある全く未知数のパワーユニットを前に、チーム側も契約には二の足を踏むはずだ。

 

 もちろん、現時点でそのパワーユニット代金を支払うこともできていないチーム存在するわけで、成績は二の次でチーム存続を最優先項目としてホンダとの契約に踏み切るチームが出て来るかもしれないが、2015年に関してはマクラーレンへの独占供給という形態が決定しているため、ホンダが第2チームにカスタマー供給を開始するのは早くとも2016年になる。中団以下のチームは今年と来年を乗り切ることで頭がいっぱいの状態であり、果たしてこの時点でそんな先のことを真剣に考えることができるチームがあるのかといえば、大いに疑問だ。

 

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 そしてホンダ側の体制としても、新井氏がF1プロジェクトの責任者という立場ではあるが、新井氏は本田技研工業(青山本社)ではなくあくまで本田技術研究所の役員という立場でしかない。そして本社側でF1活動を取り仕切る立場の役員はまだ来年以降の人事が不透明で、2年も先の契約に向けて交渉をすべき責任の所在も明確になってはいない。

 

 こういったあたりが今後どのように動いていくのか、楽しみに見守っていこう。

 

(text by 米家 峰起 / photo by Wri2, 米家 峰起)

 

 

 

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