【アプレゲールですいません。】トヨタのル・マン広告を見つけたけど……
日本に帰ってくる際に見たANAの機内誌に、WECのビジュアルを使ったトヨタの広告が出ていました。WECというかル・マン24時間耐久レースのビジュアルです。
珍しいなぁと思ったんですが、それよりも気になったのは、この広告が日本語ページではなく裏表紙から始まる英語・中国語表記のページの間に挿入されていたことです。そしてもちろん広告のメッセージも全て英語。つまり、この広告は日本人に向けたものではなく、ANAに搭乗する外国人に向けたものだということです。
そもそもトヨタ本社はWECなんて全然興味ないし、それを宣伝に利用しようなんていう気は全然ないんです。WECはF1から撤退した後のTMGが木下美明さん主導で独自予算で始めたもので、トヨタ本社は全然関与していなかった。というか、協力してくれなかったんですね(苦笑)。
豊田章男社長はモータースポーツ好き、クルマ好きだということで知られていますが、それはあくまで「自分で乗れるクルマやモータースポーツ」が好きというだけのこと。F1やWECのようなプロカテゴリーには全く興味はありません。トヨタ本社=豊田社長にとっては自分が参戦できるニュルブルクリンク24時間レースの方が圧倒的に重要なようです。実際のところニュル24時間なんて一般の人からすれば「なにそれ?」レベルだし、自分の趣味に会社の莫大なカネを投じているだけなんですけど(苦笑)。
少し話が横道に逸れましたが、トヨタとしては少なくとも日本マーケットに関してはWECやル・マンの活動をプロモーションに利用しようというつもりはないわけです。ある程度は分かっていたことですが、ちょっと寂しい気もしました。たとえ外国人向けでも、ル・マンの活動が広告に利用されていたことを喜ぶべきなんでしょうかね……。
(text and photo by 米家 峰起)
この記事へのコメントはありません。