RACE【レース】

20140419-03

 

 昨年までフェラーリでフェリペ・マッサのレースエンジニアを務めていたロブ・スメドリーは、この4月にウイリアムズへ加入し、バーレーンGPからチームに合流。初戦はオブザーバー的な立場で現場の動きを見たに過ぎなかったが、今週末の中国GPからビークルパフォーマンス責任者として現場での指揮を執り始めた。

 

 白幡勝広メカニックも「自信と説得力を持って発言をし、チームを引っ張っていってくれる雰囲気が漂っている」と、ウイリアムズのスタッフ内でもスメドリーの加入によってポジティブな変化が見られると証言している。そんなスメドリーに、ウイリアムズ加入後の心境を聞いた。

 

ーーフェラーリからウイリアムズへ移った理由とは?

「お金だよ! というのは冗談だけど、ウイリアムズには大きな可能性があると思ったんだ。僕個人にとっても良いことだった。長い間あるべき場所から遠ざかってきたウイリアムズをあるべき場所へと押し戻すために、僕も微力ながらその一員として戦えれば、こんなに嬉しいことはないよ」

 

ーーバーレーンGPではオブザーバー的な立場でチームに加わり、今週から実戦に加わることになったわけですが、チームの状態はどう感じていますか?

「バーレーンGPまでのフライアウェイ連戦を終えてイギリスへ戻ってから、我々は自分たちがどこを改善すべきかをしっかりと見つめ直し、チームのみんなからも良いリアクションを得た。我々は自分たちがあるべきところに到達していなかった。その結果、今では我々はチーム内部では自分たちがどこにいるのかを把握しているし、どうあるべきなのかもよく理解しているよ」

 

ーー今のウイリアムズの問題点は何だと見ていますか?

「ダウンフォース不足であるがゆえに、ウエットでタイヤの温まりが良くないこと、そしてドライではリアタイヤのデグラデーションの問題を抱えていた。空力の改善は非常に重要だ。しかし小さな改良をまとめ上げて効果に繋げていくことは簡単ではない。

 僕がオーストラリアGPとマレーシアGPを外から見ていて思ったのは、『ああ、ウチはダウンフォースが不足しているな、ドラッグが不足しているな(笑)』っていうことだったんだ。後者はポジティブなことではあるし、それだけ空力効率の良いマシンを作り上げたからこそトップ10に入ることができたんだ。しかし、そのためにダウンフォース不足の不利を被っている。これは受け入れがたいことだ。しかもその差が非常に大きいからね」

 

ーーウエットでのタイヤの温まりを良くするアップデートは効果を発揮した?

「そうだね、着実に進歩はしているし、勇気づけられたよ。我々にとっては重要なアップデートだったし、自分たちの進むべき正しい方向に向かっている。これまでの2回のウエットでの予選とは違った結果を手に入れることができたし、今回は後方からスタートしなくても済むからね」

 

ーー何が進化の理由ですか?

「大まかに言えば、マシンのドライバビリティだ。タイヤをいかに機能させれば良いのかという点に関しても理解を深めた。それが重要だったんだ」

 

20140419-04

 

ーーここまでのチームの成績についてはどう感じていますか?

「クルマの性能を引き出しきってあの成績なら、ガッカリしただろう。でもそうだっただろうか? いや、我々はクルマを最大限に生かし切れていなかった。パーフェクトな仕事ができなかったその理由も分かっている。だからパニックになる必要なんてなかったんだ。

 確かに冬の間にあれだけ速そうな予感が漂っていた割には、現時点では期待値ほどの結果は残せていない。しかしまだ我々の開発は進められている。ウイリアムズのファクトリーにやって来て見れば、空力部門だってメカニカル部門だって、その設備は素晴らしい。あとは全てを上手く機能させ、正しい方向へ導くだけで良いんだ」

 

ーー今後のマシンのアップグレードは?

「もちろん我々もスペインGPに大きなアップグレードを持ち込むが、みんなヨーロッパラウンドにアップグレードを持ち込むと言うだろう? つまり、それがどれだけ結果に結びつくかは相対的なものでしかないし、それは日曜日のレースが終わった後にならなければ正確な評価はできない。でもさっきも言ったようにパニックになるような状態にいるわけではないし、着実に進歩していけると感じているよ」

 

ーー例年ウイリアムズはシーズン中の開発で後れを取りますが、今年は?

「今年のパワーユニットはまだ全然熟成し切れていないから、これから大きな速度で進歩を遂げていくだろう。それが今シーズンの非常に大きなファクターになる。我々はメルセデスAMGのパワーユニットで良い形でシーズンのスタートを切ることができたが、彼らだってまだ驚くほど必死にプッシュしているんだ。

 もちろん空力もタイヤマネージメントも非常に重要だ。あらゆるエリアが全力で前進を果たすために努力をしなければならない。メルセデスAMGがパワーユニットを改良してくれるから我々は空力だけに集中していれば良い、などということはあり得ないんだ。このチーム全体のあらゆるエリアを回転させ続けなければならない。それを統括するのが僕の役割でもある」

 

ーー旧知の仲であるステファノ・ドメニカリがフェラーリの代表を辞しましたが、それについては?

「僕はフェラーリ内でのステファノの状況についてコメントする立場にはないけど、彼は友人だし、それはこれからもずっと変わらない。彼の決断までに至る数週間はかなり大変なものだったことは想像に難くない。フェラーリの代表なんていう名誉ある立場を離れるなんて、簡単なことではないからね。だからこそ彼の決断を尊重すべきだと思うし、今は周囲の雑音から離れて家族のそばでゆっくりできていることを祈るよ」

 

(text by 米家 峰起 / photo by 米家 峰起, Williams)

 

 

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