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【TECHNICAL FILE】マルシアMR03、跳ね馬との新たなる関係の下で再出発
ヘレス合同テスト初日の1月28日に午前9時前の発表会を予定していたマルシアMR03だが、ファクトリーからヘレスへと輸送する前の段階でトラブルが見つかったために、発送を遅らせてファクトリーでトラブル対策をとることとなった。そのためMR03がサーキットに到着したのは1月30日となり、発表会や記念撮影は行なうことなくその日の午後に慌ただしく走行を開始した。
マルシアは今季からフェラーリとの提携を開始し、パワートレインとギアボックスの供給を受けることとなった。その背景もあってジュール・ビアンキとは昨年10月2日に早々に契約延長を決めている。しかしマックス・チルトンは1月10日のFIAによるエントリーリスト発表を受けて公表される運びとなるなど、相変わらずチームが財政的に厳しい状況にあることはうかがえる。しかしマクラーレン・アプライドテクノロジーズとの提携も継続しており、ウォーキングのマクラーレン・テクノロジーセンター内にある風洞やCFD施設、シミュレーターなどを利用して開発を行なってきた。
MR03の開発作業は2012年初頭に開始しているが、この時点ではあくまで2014年型マシンの調査を行なう小さな専門チームが発足したに過ぎず、実際の開発作業が本格化したのは7月にフェラーリTの契約が決まってからのことだ。
チームからは昨年途中にパット・シモンズが離脱してしまったが、英国バンベリーのマルシア・テクニカルセンターでは、チーフデザイナーのジョン・マキリアムの下で開発が進められてきた。マルシアと提携を開始したフェラーリ側は、その技術体制の規模や技術レベルを見て、まだまだF1で中堅以上を戦えるレベルではないと判断したという。昨年はマルシアだけでなくケータハムも“つなぎの1年”として旧型車で戦ったために、シーズン序盤戦での13位完走という結果によってランキング10位を手にしたが、今季はそんな幸運を期待することは難しいだろう。
しかし技術規定が大きく変わる2014年だけに、一歩ずつチームの成長を進めていくだけの猶予はあるはずだ。フェラーリとの提携で、マルシアとしてもいよいよF1チームとして本格的なスタートを切ることができる体制が整ったとも言える。ここからの再出発がチームの正念場だ。
(text by 米家 峰起 / photo by Marussia)
【TECHNICAL SIPECIFICATIONS】 MARUSSIA MR03
Designation
MR03
Monocoque
Carbon-fibre composite
Front suspension
Carbon-fibre wishbone and pushrod suspension elements operating inboard torsion bar and damper system
Rear Suspension
Carbon-fibre wishbone and pullrod suspension elements operating inboard torsion bar and damper system
Electronics
MAT SECU TAG 320/Scuderia Ferrari
Bodywork
Carbon-fibre
Tyres
Pirelli P Zero
Lubricants & Fluids
Shell
Radio
Riedel
Wheels
BBS
Brake system
Carbon/carbon discs and pads with rear brake by wire system
Brake calipers
AP Racing
Master cylinders
AP Racing
Steering
Marussia F1 Team-designed hydraulic PAS
Instruments
Marussia F1 Team-designed steering wheel incorporating MAT PCU8 display
Fuel system
ATL Kevlar-reinforced rubber bladder
Cooling system
Marussia F1 Team
Extinguisher system
FEV FIA approved system
Seat belts
Sabelt
Overall width
1800mm
Wheelbase
3700mm
ENGINE
Displacement
1600cc
Maximum revs
15,000
Turbo charging
Single turbo
Fuel flow
100kg/hr max
Fuel capacity
100kg
Configuration
V6 90°
Cylinders
6
Bore
80mm
Stroke
53mm
Valves
4 per cylinder
Injection
500 bar – direct
Units per driver
5
ERS
Battery energy (per lap)
4 Mj
MGU-K power
120 kW
MGU-K max revs
50,000 rpm
MGU-H max revs
125,000 rpm
TRANSMISSION
Ferrari longitudinal gearbox
Servo controlled hydraulic limited-slip differential
Semi-automatic sequential and electronically controlled gearbox with quick shift
8 gears + reverse
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