REPORT【報道】

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 5年連続王座を狙うレッドブルは、この2014年レギュレーション変革に際して2009年のRB5から5世代続いたコンセプトと決別し、全く新たなマシンを作り上げてきた。

 

 ヘレス合同テスト初日の1月28日、セッション開始前の午前8時40分に公開されたニューマシンRB10は、これまでのレッドブルとは似ても似つかないマシンであることが一目で分かるほど、新たなフォルムを纏っていた。RB5から独自のコンセプトでF1界を席巻してきたレッドブルとエイドリアン・ニューウェイだが、この新規定下でも新たなトレンドを創り出すのだろうか。

 

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 新規定によりF1マシンは格段に複雑化した。クリスチャン・ホーナー代表は、限られた時間の中でRB10を完成させるのは極めて難しい仕事だったと強調している。

 

「これまで以上にマシンは複雑化している。設計図の数は従来の4割増だ。それだけ多くのパーツを製造しなければならないということでもある。我々がクラッシュテストを通過したのは10日前だが、そのために何カ月も努力してきた。このヘレスでの初回テストにマシンを完成させ持ち込んだそのこと自体が偉業だと言えるよ」

 

 ただし気になるのは、開発に遅れが生じたという点だ。2013年のタイトル争いのためにRB9開発にリソースを割かざるを得ず、RB10の開発スケジュールに影響が出たという。ニューウェイは実際の設計作業に入る前にR&D(調査研究)に重きを置くデザイナーだが、その時間を充分にとることができなかったというから、やや不安が残る。

 

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「昨年はタイトルを争う上で8月が非常に重要な時期になった。そのため6月から9月にかけてRB9の開発に重点を置き、RB10の開発を妥協せざるを得ない側面があったんだ。その影響を受けてスケジュールが圧迫され、それに対処しなければならなかった。基礎開発を進める前にバックグラウンドでリサーチをする時間が充分にとれなかったんだ。時間こそが我々にとって最大の戦いだったね」(ニューウェイ)

 

 レッドブルはルノーのワークス供給体制を受け、パワーユニット開発とマシン開発の両面において協力しながら作業を進めてきた。それゆえに他のカスタマーチームよりも攻めた設計が可能になっている。しかしそれが裏目に出たのか、ルノーのパワーユニット本体の問題だけでなく、ヘレスでの初テストでは車体側にも冷却に問題を抱え、再設計の必要性まで示唆されている。

 

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 パワーユニットの冷却系が収まるサイドポッドの処理は、前世代コンセプトとは大きく異なっている。ノーズからマシン前半部分の気流制御哲学だけでなく、マシン後半部分の哲学も変えてきたことは明らかだ。そしておそらくは、外観よりもさらに大きく空力性能に影響するサイドポッド内部気流の制御でもかなり攻めた設計をとってきたはずだ。そのあたりにRB10が抱えている問題の原因があるのだろう。

 

「今年はパワーユニットの信頼性がカギになるだろう。パワフルかつ信頼性の高いユニットを手にした者が勝利する。いろんな意味でレースが変わるカギになるだろう」(ホーナー代表)

 

 そう言いながらもヘレスで信頼性に大きな問題を抱えてしまったルノーとレッドブルは、これをどこまで挽回できるのだろうか。挽回できたとしても、その対策のために当初思い描いていたような設計上のアドバンテージをどこまで犠牲にしなければならないのだろうか。王者レッドブルの2014年は決して楽なものにはならないように感じられる。

 

(text by 米家 峰起 / photo by Red Bull)

 

 

TECHNICAL SPECIFICATIONSRED BULL RB10

CHASSIS

COMPOSITE MONOCOQUE STRUCTURE, DESIGNED AND BUILT IN-HOUSE, CARRYING THE RENAULT V6 AS FULLY STRESSED MEMBER.

TRANSMISSION

EIGHT-SPEED GEARBOX, LONGITUDINALLY MOUNTED WITH HYDRAULIC SYSTEM FOR POWER SHIFT AND CLUTCH OPERATION.

WHEELS

OZ RACING, FRONT: 12.0IN X 13IN DIAM., REAR: 13.7IN X 13IN DIAM.

TYRES

PIRELLI

SUSPENSION

FRONT: ALUMINIUM ALLOY UPRIGHTS, CARBON-COMPOSITE DOUBLE WISHBONE WITH SPRINGS AND ANTI-ROLL BAR, MULTIMATIC DAMPERS.
REAR: ALUMINIUM ALLOY UPRIGHTS, CARBON-COMPOSITE DOUBLE WISHBONE WITH SPRINGS AND ANTI-ROLL BAR, MULTIMATIC DAMPERS.

BRAKES

BREMBO CALIPERS. FRICTION MATERIAL; CARBON/CARBON COMPOSITES DISCS AND PADS

ELECTRONICS

MESL STANDARD ELECTRONIC CONTROL UNIT.

FUEL

TOTAL GROUP

 

RENAULT ENGINE ENERGY F1-2014 – 2014

NUMBER OF CYLINDERS

6

CAPACITY

1600CC

MAX RPM

15,000RPM

NUMBER OF VALVES

24

VEE ANGLE

90 DEGREES

POWER OUTPUT

NOT DISCLOSED

ENGINE CONSTRUCTION

CYLINDER BLOCK IN ALUMINIUM

ENGINE MANAGEMENT

NOT DISCLOSED

OIL

TOTAL GROUP

WEIGHT

FIA MINIMUM WEIGHT OF 145 KG

 

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