REPORT【報道】

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  レッドブルRB10のディテールを50点以上に上る膨大な高画質写真とともに詳細にチェックしていく。マシン解説本編と合わせてマシン細部を理解する貴重な資料となるはずだ。

 

【FRONT NOSE】

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  ノーズ先端は塗装を行なわずカーボン地のままで目立たなくされており、マシンの美しさとデザイン性にこだわるニューウェイらしいが、ノーズ先端の処理は他チームのようにただ真っ直ぐ突き出しただけではなく、船のへ先(キール)のように上下に造形し、ノーズ本体は高く留めてノーズ下への気流を確保している。

 

 そのノーズ先端部にも仕掛けがあり、実走仕様では発表会仕様にはなかった切れ込みが加わってエアインテークになっている。気流はノーズ内部を通り、ノーズの付け根からモノコック正面へと流れ出る仕組みになっているようだ。バルクヘッド側にはエアアウトレットが取り付けられている。冷却に利用するだけでなく、ともすればノーズ内部でダウンフォース発生も可能ではないかと推察される。

 

【FRONT WING】

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  フロントウイングは従来型のコンセプトを踏襲し、翼端板にカスケードされたアッパーフラップも前年型同様。ウイングの左右両端部はスリットを入れることで実質的に6枚のフラップが存在するようなかたちになっている(メインプレーンに大きなスリットを1本、その後半部をさらに2本のスリットで分割)。このスロットギャップ(隙間)でダウンフォースを効率的に生み出すことができるからだ。

 

 ウイング裏面には2枚のフィンを装着し、整流効果を持たせている。フラップ中央部に設置されたフラップ角度調整機構は、砲弾形状として斜めに配置してやはり整流に一役買っている。場合によってはここにメルセデスAMGのようなタイヤ熱センサーを装備することも想定しているのかもしれない。

 

【FRONT SUSPENSION】

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  フロントサスペンションはノーズとモノコックが低くなったことにより、車体側のマウント位置が下がり、正面から見て「ハの字」形状の角度が浅くなった。アップライト側のマウント位置を高くすることによって、極めて意図的にサスアームを浅い角度で配置しており、これによってサスアームによる整流効果を最優先に設計している。上から見れば、サスアームが整流効果の高い翼断面形状をしていることも分かる。

 

 アームの下側に大きな空間を確保して気流の通り道とする意図もある。ロワアームに至ってはアップライトの中央よりも上にマウントされるという特異なジオメトリーで、メカニカル性能よりも空力性能を優先するというニューウェイの哲学はこんなところにも見て取れる。ノーズ下に装備した2対のターニングベインと合わせて気流の通り道を処理している。なお、フロントのブレーキキャリパーを6時位置に配置するのも、ブレーキ効率よりも低重心化を重視するニューウェイの変わらない哲学のひとつだ。

 

【SIDE POD】

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 ポッドフィンやコクピット周辺の空力付加物は、昨年後半戦の仕様を踏襲したもの。しかしサイドポッドより後方は従来とは大きく異なる空力的処理を採ってきた。従来はサイドポッド上面デッキを低く落とし込みリアエンドへと気流を導く手法だったが、新世代のRB10ではサイドポッド後方は内側に細く絞り込んで、車体側面からコークボトル部へと気流を導くルートを大きくしてきた。

 

【BODY COWLLING】

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 そしてリアカウル後端は、エンジン排気管の周りに従来型の排熱アウトレットを装備する一方で、その下端のギアボックス上のカウルをすり鉢状に広げて排熱アウトレットとすると同時に、サイドポッド上面からの気流を集めてリアエンドへ引き抜く通り道を形成している。そして翼断面形状のカバーで覆ったリアサスペンションと連携して気流を加速させ、マシンのフロア下からの気流を引き抜き、ディフューザーの効果を高めているのだ。

 

 また、左右一対のダミーカメラはノーズ脇に装着するマシンが多数を占める中、RB10はノーズには装着せずにロールフープ後方に装着してセンターウイングとしてマシン中央の気流を剥離させることなくリアウイングへと確実に流し込むことを狙っている。

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 サイドポッド全面のエアインテーク開口面積は決して小さいようには見えず、パワーユニット周辺にバルジを設けるほどカウルを絞り込んでいるわけでもない。それでも冷却に問題を抱えているということは、パワーユニットの冷却システムが収められたサイドポッド内部からリアエンドの排熱アウトレットへの気流制御を攻めた設計にしているということだ。テスト3日目以降は熱対策の応急処置としてコークボトル部の下端(Platform Computingのロゴ下)に小さな穴を開けて走行していたが、この周辺が最も内部システムとのクリアランスが厳しい箇所のようだ。

 

 コクピット脇の排熱ルーバーも全開、カウル後端のエンジン排気管シュラウドも最大設定として走行したものの、それでもRB10の冷却容量は充分ではなかったようだ。今年のヘレスは例年に比べると昼間でも気温が低いほどだったが、冬のこの時期でもこの状態では、熱帯地域や真夏のレースを考えると車体の設計変更を余儀なくされるだろう。

 

【REAR SUSPENSION】

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 一方で、リアサスペンションはプルロッド方式を踏襲。アッパーアームは気流を遮らないようにかなり前方にマウント、ロワアームはドライブシャフトやトーアームとともに整流効果を持たせるためにかなり後方にマウントするという、メカニカル性能よりも空力性能を優先させた設計となっている。プルロッドはロワウィッシュボーンの外側にマウントするという極めて特殊なジオメトリーだ。

 

【REAR WING】

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 リアウイング自体は昨年型を踏襲したもので、特殊なデザインは施されていない。センターピラーは1本構成で、前方に湾曲させてマウントし、リアウイングのダウンフォース作用点をリアアクスル上に持ってこようという狙いだ。禁止されたロワのビームウイングは規制対象外である中央部分にも装着せず、代わりにリア衝撃吸収構造を跳ね上げることで空力効果を得ているようだ。

 

【DIFFUSER】

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 ディフューザーもまだ昨年型と同様で、後縁部にフィンを装着し二重構造にしているのも同じ。このあたりも開幕戦までに新たなアイディアが投入されてくるかもしれない。ただし熱対策の再設計がどれだけアップデート開発計画に影響を及ぼすことになるのか、現時点ではまだ未知数だと言えるだろう。

 

【DRIVERS’ HELMETS】

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(text by 米家 峰起 / photo by Wri2, Red Bull)

 

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Comment

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  • コメント (3)
    • mitsunishira
    • 2014年 2月 11日

    これもまた、とっても読み応えのある記事で、楽しいです!
    ちなみに、ブレーキキャリパーの位置とブレーキ効率って、どう関係してくるのですか?

    • MINEOKI YONEYA
      • MINEOKI YONEYA
      • 2014年 2月 11日

      慣性とアップライト支持方法の影響(6時位置なら上下アームですが9時位置なら下アームのみ)もありますが、ブレーキダクトから入ってくる気流の冷却効率もあります。また現場でブレーキ屋さんのエンジニアを見つけたら詳しく聞いてみますね。

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