REPORT【報道】

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ーーAUTO GPタイトル獲得、おめでとうございます。

「ありがとうございます。去年はクルマ的にはスーパーノバにボコボコにやられちゃってて、予選で向こうの方が2秒速いとかいうこともありましたし、そういうところでタイトルを獲れなかったんですけど、チームが今年の冬の間にずっと休まずにクルマを良くするために詰めてきたんですね。で開幕したら勝てて、課題だった予選のパフォーマンスも良くなって、レースも強くて。クルマが1年を通して良かったですね」

 

ーーGP2では苦戦が続いているけど、AUTO GPでタイトルが取れた要因というのは?

「GP2に比べてAUTO GPで良かったなと思うのは、周りよりコンマ何秒速かったりとか勝ったりだとかすると、サーキットのキャラクターが違ってもいかにそこを目指すかというところに対してチームが努力してたんですね。毎戦強いクルマを手に入れられたのはそういうところに要因があったと思いますし、それこそがタイトルを決められた理由ですね。僕が走っていない間や冬の間も、ずっとワークショップで脚回りのセットアップをガチャガチャやってるのは見てましたし、彼らが費やした時間が差に表われたんだと思いますね」

 

ーーGP2とAUTO GPでは競争のレベルが違う?

「出ている台数もドライバーのレベルも違いますし、GP2なんて4〜5年やってるドライバーもいますからね。その中にはAUTO GP卒業生もいて。こっちの方がコンペティションのレベルが高いのは当然なんですけど、僕個人としてはセットアップの問題が大きいですね。GP2(カンポス)では行くサーキットごとに目指すポイントが違うんですよね。しかもチームメイト(アルトゥール・ピック)が良いと言った方向にフォローしてしまって、なぁなぁで終わっちゃうっていうところが大問題ですね」

 

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ーーイニシャルセットアップから大きくハズしているというのが問題だよね。

「イニシャルセットアップってダンパーだとバネだかいろんな要素があるわけですけど、ハンガリーではそれを『合わせた』というよりも『合っちゃった』という感じだったんですね。振ったら当たった、やったホームラン! みたいな。

 でも、サーキットごとに特性が違うからセットアップも変わるとはいえ、前回当たったのがデータとして残っているわけですから、同じような方向性のバランス数値に持って来られたはずなんですね。なのにそれを合わせられなかったというのは、責められてしかるべきなんじゃないかと思いますね……」

 

ーーチームがそこを目指そうとしていない?

「(イニシャルセットアップを作る上で)前回の数字じゃなくて、このドライバーはこういうバランスが好きなんだ、こういう方向性にすれば良いんだっていう部分を見てくれれば良かったんですけどね。他人のクルマに乗っているような感覚なんです。開幕当初からずっとグリップ不足に悩まされていて、ハンガリーで初めてグリップするマシンにできたのに、なぜあの同じところを目指そうとしないのか、疑問ですね。

 去年のうちのスパはこうで、ここは悪かったからこうだ、オレたちはこうやってきたんだ、2011年はこれで速かったんだって言うんですけど、去年って25位・26位なんです。悪かった部分を直そうとはしてるけど、根本的に目指す方向が間違ってるんですよね。(ハンガリーで)せっかく目指すべきポイントが見つかったんだから、ドライバーが良いって言ったところをただひたすら目指すだけだと思うんですけど、それを『いやそうじゃないんだ』っていう理論がいまいち理解できないんですよね……」

 

ーー症状としては、滑りやすいという状態?

「そうですね、以前の通り全然グリップが感じられないっていうことと、特に今週末はアンダーステアに悩まされてます。何を変えてもアンダーステアから抜け出せないんです。トラクションもないし、ホイールスピンもいっぱいしてるんで、レースでは余計にタイヤに厳しいでしょうね。フリー走行でもリアがオーバーヒートしちゃってたし、GP2パドックの中で一番リアタイヤが厳しいでしょうからね」

 

ーーそれに対してエンジニアは手をこまねいている?

「そのクルマの状況を伝えて『こうしたいんだ』って言っても、エンジニアから出て来るアイディアが乏しいというか、『内圧が高かったのかな……』『こうかな……』みたいな程度で、エンジニアも何が起きているか把握できていないし、クルマの悪いところは取り切れていないんです。

 アタマの硬い人たちが多いんですよね。10年以上同じことをやってきた人たちがいますから、柔軟さがないんです。ハンガリーでは全てをひとつにまとめられればこんなにすぐに結果に出るんだっていうのに僕自身もビックリしましたからね。あとは同じことをやるだけだって安心してたんですけど、自分が愚かでしたね(苦笑)。チームもバッチリだって言ってたし、僕も夏休みはルンルン気分だったんですけど……」

 

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ーー今年GP2と並行してAUTO GPを走るというのは、最初は乗り気じゃない様子だったよね?

「かなり乗り気じゃなかったかもしれないですね。AUTO GPに乗ることについて周りの人からあまり良くないことを言う人もいますしね。でもそんなに酷いシリーズではないんで、そこでタイトルを獲ることができたのは良いことだと思います。レースを始めてから1回も1番って獲ったことがなかったんで、年間で1番を獲るっていうことも意味があるし、その経験もしておきたかったですしね」

 

ーー周りから見れば今年は楽勝だろうという感じだったけど、それでもニュルブルクリンクのレース2が終わってタイトルが決まったときは号泣してたよね。

「ニュルの週末もトラブルがあったりいろんなことがあってすごくタフな週末だったんで、周りから見えるほど楽勝ではなかったんです。そんな中でレースが終わってクルマを降りたら、良いクルマを作るためにチームで一番頑張ってくれたチーフメカニックが目の前にいたんで、感動しちゃいましたね。チームオーナー(タキ井上)とか社長(ビンチェンツォ・ソスピリ)の顔を見ても1ミリも感動しないですけどね!(笑) 彼がチームの軸になる人物だったし、彼が頑張ったからこそタイトルが獲れたんで。僕は去年と同じように運転しただけでしたから」

 

ーー去年は最後の最後でタイトルを逃したし、今年はちょっと慎重にレースをしようという気持ちもあった?

「そうですね、95%リードしていながらゲスト参戦した人にぶつけられて(笑)。あれがなければチャンピオンでしたからね。引くことの大切さは前から分かっていたつもりでしたけど、今年はさらに気をつけて走りましたね。なぜかGP2では巻き込まれちゃうんですけど、AUTO GPではそれが上手く生きたのかなと思いますね」

 

ーーハンガリーのレース後は、もうGP2はイヤだみたいな雰囲気だったよね? 辞めようという気持ちもあった?

「それは結構前から思ってますけど、だからといって辞めるわけにはいかないですし……予選で前に行こうが、レースは関係ないんだっていうのがGP2の問題点だと思うんですよね。変なクルマ、変なタイヤで、本当に速いヤツが前に行けなくて、なんだこれ?みたいなレースになっちゃいますからね。特にレース1の方が、クラッシュだけじゃなくて荒れますしね」

 

ーー最終的にはF1に乗りたいという気持ちはあるよね?

「行きたいです。でも今週末もイス取りゲーム、見るも無惨な戦いが繰り広げられてますけど(苦笑)、ああいうのははしたくないですね」

 

ーー現時点で、来年のことは?

「今のところは何一つ決まっていないです。このまま行くと来年はなさそうですけど(苦笑)。F1の噂とか出て騒がれたいです(笑)」

 

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(text by 米家 峰起 / photo by EURONOVA, 米家 峰起)

 

 

 

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