REGULAR【連載】

 

 SNSを中心に飾らないフレンドリーな性格が脚光を浴びて人気が上昇しているランド・ノリスですが、実際にはランス・ストロールやニキータ・マゼピンのように裕福な家庭の出身です。

 

 父親のアダム・ノリスは投資家で総資産300億円。地元ブリストルでは有数の資産家であり、2019年にはイギリス全体でも501位に入るほど。

 

 そんなノリスですが、2015年にはイギリスのMSAフォーミュラ、2016年はフォーミュラ・ルノー2.0、2017年はユーロF3と毎年タイトルを獲得し、2018年はFIA F2でジョージ・ラッセルに破れたもののランキング2位を獲得して2019年にF1デビューを果たしています。つまり、下位カテゴリーでは常にトップクラスの成績を収めてきたわけです。

 

 

 実はマクラーレン・レーシングのCEOであるザック・ブラウンが経営するJMI(ジャスト・マーケティング・インターナショナル)でマネージメントを行なっており、マクラーレンからのF1デビューは既定路線でした。父親の金銭的支援もさることながら、ザック・ブラウンとしても彼をデビューさせることが自分にメリットがあったからです。

 

 ユーロF3でもFIA F2でも、その前の年の最後にスポット参戦をして経験を積んでから、次の年の本格参戦に備えるという用意周到なマネージメント。F1に関してもそれは同様で、ノリスはキャリアの早い段階からマクラーレンヤングドライバープログラムに加入して、ファクトリーでのシミュレーター作業やチームエンジニアからのアドバイスなどの支援を受けつつ、2017年からチームに帯同してF1テストやFP1出走を積み重ねてきました。

 

 初のF1ドライブとなった2017年ハンガリー合同テストからチームエンジニアの評価は高く、スムーズなドライビングは車体側・パワーユニット側双方のエンジニアも驚きを見せていました。ジョージ・ラッセルら他のドライバーとは違ってウルトラソフトタイヤを何セットも使ってアタック走行をさせてもらっていましたが、そのあたりもマクラーレンからの手厚い支援が感じられました。

 

 そんな中でも、寒いレースではホスピタリティからピットガレージにコーヒーを運んでいってエンジニアやメカニックに振る舞ったり、いわゆるお金持ちのボンボンではなく素朴で飾らない人柄ゆえにチームでも愛される存在になりました。それが今のマクラーレンでも非常に上手くいっている理由のひとつです。

 

 ただし、現状のマクラーレンではトップチームへの浮上は難しいでしょうし、マクラーレンにいたのでは優勝争いやタイトル争いをするところに行けません。ノリスにとっては、F1ドライバーとしてさらに1ステップ上にいくためにはこれまでのような恵まれた環境から抜け出して、外で戦わなければならなくなります。その時に彼がどこまでやれるのか、イイヤツでい続けられるのか。ノリスの真価が問われるのはその時なのだと思います。

 

 

(text by 米家 峰起 / photo by McLaren)

 

 

 

 

 

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