【アプレゲールですいません。】ケータハム敏腕広報トムの凡ミス

　バーレーン合同テスト後半初日のセッション後、コバヤシ選手のメディアセッション（といっても日本語は僕一人ですが（苦笑））の時間にケータハムのホスピタリティに行くと、広報のトムが「ミネ、遅いぞ！ もうとっくに終わったよ」と言います。

　個人的にトムはF1イチ仕事のできる広報スタッフだと思っているのですが、この日もその通り「しょうがないから、エンジニアミーティングが終わった後に時間をあげるけど」と言ってくれましたが、「メディアセンターの貼り紙に書いてあっただろ？ 今朝貼り替えたんだから」と言うのですが、僕は今朝その貼り紙を見て時間をチェックしたような気が……。チームのホスピ前にある貼り紙は古い時間のままだったので、もしかすると僕はこっちを見て時間をメモしたのかなぁと思ったりしつつ、なんか話が噛み合わないままいったんメディアセンターに戻ることに。

　その道すがら、日本語囲みの後に予定されていた英語囲みに向かう何人かの外人ジャーナリストとすれ違い、「可夢偉もう終わったの？」と聞かれるたびにいちいち「時間が変わったらしいよ、もう終わったって」と答えることに。みんな「え〜、キャンセルかよ！」と驚いた表情。

　で、メディアセンターの掲示板を見たら、やっぱりホスピ前にあったのと同じ時間が記された紙が貼ってある。なんだよ、貼り替えてないじゃ〜ん！と思って、ミーティングが終わりそうな頃合いを見計らってもう一度ケータハムのホスピに行くと、トムが青ざめた顔して待ってました。

「俺、ミスした。この仕事を4年やって来て、初めてのミスだ……」

　なんでも、新しい時間を記載した紙に貼り替えたつもりが、前と同じ時間が記された紙に貼り替えていたとのこと。つまり、貼ってあった紙を剥がして、全く同じ紙を貼っていたというわけ（苦笑）。

　某RBRチームとかMGPチームとかなら「もう時間ないから」とそのままキャンセルになるであろうところですが（苦笑）、トムはすごく協力的な人なのできちんとコバヤシ選手を捕まえてきて日本語と英語の囲みをやってくれました。

　ちょっぴりコワモテだけど、F1チームの人間だからと偉ぶることもなく（こういう人が多いんですよ）、仕事のできるイイヤツなのでした。

　グッジョブ、トム！ ドンマイ！

（text and photo by 米家 峰起）