【アプレゲールですいません。】逆説的に言いたかったのは……
すっかりマクラーレンとホンダの関係悪化が明らかになってきてしまいました。僕はマクラーレン側の情報操作は、開幕前のテストの時からひしひしと感じていました。それに対して「武士は語らず」という態度を貫いてきたホンダ側の態度も見てきました。
マクラーレン側のあまりの酷さが目に余るようになり、ホンダ側が我慢できずに対抗をし始めたのがイギリスGPの頃。それが少しずつ表に出始めたのが夏休み前後。世間的にはすっかりマクラーレンの醸成したイメージに染められていて遅きに失した感はありましたが、徐々にホンダ側の“反論”が表に出始めたのを見て、マクラーレン側がいよいよ大攻勢をかけてきた、それがイタリアGP土曜日のMeet the Teamにおける突然の新井批判。もちろん新井さんにもメディア対応という点で至らない部分はたくさんあるでしょうが、そこで浴びせられたホンダ=有罪という前提に立った上から目線の質問の数々は、聞いていて気分が悪くなるほどで、それはまさに“モンツァ裁判”とでも言うべき状況でした。
日刊SPA!のウェブサイトに掲載されたこの記事(http://nikkan-spa.jp/907600)について、バカじゃないかとか色々言われたと思うんですが、実際にはこれは夏休み前に発売された『週刊SPA!』本誌に掲載されたものなんですね。だから、夏休み前の段階ではホンダとしても夏休み明けにディプロイの問題解決も含めた大型アップデート投入を計画していたし、僕らはこういう期待感を持ってコメントさせてもらいました。
しかし実際には夏休みにその開発が間に合わず、ウェブサイトに掲載されたのがそれから1カ月後のベルギーGPのタイミングだったんで、「この期に及んで何言ってんだ!?」的なトンチンカンなコメントに見えるという悲しい状況でした。そりゃ。ベルギーGPで聞かれたらあんなことは言わないですよ、僕らだってバカじゃないんだから。すぐに提灯、提灯って言われますけど、僕はホンダからお金も仕事ももらってないですしね。
それは置いといて、ここで言いたいのは僕の最後のコメント部分。一部では「バカじゃねぇの?」とボロクソに言われたみたいですが、僕が逆説的に言いたかったのは、こんなレッドブル対ルノーみたいな状況にならないようにして欲しい、ということだったんです。前述のように、マクラーレンとホンダの関係がギクシャクしているのは分かっていましたし、それぞれの言い分を聞くと、どうも互いに抱えている不満をまっすぐぶつけ合っていないようにも感じられましたから。
結局、その危惧が早くも現実のものとなってしまったということなんですが……。
(text and photo by 米家 峰起)
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