【アプレゲールですいません。】ただのお笑い漫画じゃない!
唐突ですが、僕は『べしゃり暮らし』という漫画が大好きです。『ROOKIES』や『ろくでなしBLUES』で知られる森田まさのり先生の漫画で、こちらはお笑いをテーマにしたストーリーです。
僕はそれほど最近のお笑いは好きじゃありませんが、元々が関西出身なのでそれなりにこだわりはある方だと思います(だからこそ最近の中身のないギャグでは笑えないというのもありますが……)。
『べしゃり暮らし』はお笑いブーム真っ只中の頃に始まって、先月末に発売された第19巻で完結してしまいましたが、お笑いコンビの悲喜こもごもや人間模様をものすごく丁寧に描いていて、ついついホロリとしてしまう場面も多々あります。お笑いというテーマを抜きにしても、人間ドラマとして充分に楽しめてしまうくらいメチャクチャ良い漫画なので、ぜひ読んでみてください。
最後にはコンビとは何か、相方とはどういう存在なのかというお笑いの根幹に関わるテーマに挑んでいますが、それを主人公たち自身が自問自答しながら見つけ出していく姿を通して描いています。
これを読むと、お笑いの見方が少し変わるかもしれません。
僕はこういう人間ドラマ漫画をF1の世界でも描ければ良いなぁと思います。というのも僕がF1に興味を持ったきっかけが、かつてF1ブームの頃に週刊少年ジャンプに連載されていたアイルトン・セナの漫画だったからです。
あれは1991年シーズンをほぼリアルタイムで描くドキュメンタリー的な漫画でしたが、僕にとってはテレビ中継よりも何よりもその漫画が最も魅力的だったし、漫画だからある程度の脚色はあったでしょうし全てが正しくはなかったかもしれないけど、その漫画を通してF1というのがどんなすごい世界なのかを知ることができ、F1にハマっていったわけです。
これから新しい人たちにファンになってもらうためには、こういう試みが必要なのではないかなと思います。
(text and photo by 米家 峰起)
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