【アプレゲールですいません。】日本の食のありがたさ
ず〜〜〜っとF1の全戦取材に行っていると、毎回“日本滞在”が1週間ほどしかありません。
各グランプリの取材先では、なるべく現地の料理を食べます。オーストリアではシュニッツェルを食べに行きました。でもだからこそ、日本にいる間は日本的なものが食べたいんです。海外ではなかなか食べられないですからね〜。
食べたくなるのは、なか卯の親子丼とか、天ぷらとか、家系ラーメンとか、今だったら旬で脂が乗ってて超美味しい鰻とか。ざるそばも良いですねぇ。
いやぁ、日本って本当に食べ物が美味しいんですよ。自分が生まれ育った国だからというのを差し引いても、庶民が食べているもののレベルっていうことでいえば日本は圧倒的です。イタリアとスペインも美味しいけど、バリエーションの豊富さでいえば断然日本。F1チームのホスピタリティのシェフだって、上手な人は日本食のテイストやテクニックを積極的に採り入れてますからね。
もちろんどこの国だって高いお金を出せば美味しいものは食べられますが、1000円以下の庶民が行くレストランのクオリティは日本が世界でトップだと思います。
まぁ、野菜はアメリカやヨーロッパの方が美味しいし(なんともいえない甘みがあります)、パンやチーズはヨーロッパの方が美味しいし(パンの小麦やバターの香りが濃厚です)、霜降りじゃない赤身の牛肉は南北アメリカ大陸が美味しいです(肉の旨味はこっちの方が豊富です)。でも料理方法は日本の方が繊細で複雑で、単純な足し算じゃなくてかけ算の味という感じなんですよね。AとBの食材を一緒にすると、アメリカだとAとBの味だけど、日本だとCの味になる、みたいな。
ずっと日本にいるとそれが当たり前だから気付かなかったかもしれないけど、海外にいって超ストレートな味の料理とかひどいのとかを体験すると、日本の食って本当に素晴らしいんだなぁと改めてそのありがたさに気付くんです。
(text and photo by 米家 峰起)
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