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【アプレゲールですいません。】しょうもない記事じゃなく、“ストーリー”を。

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 東京大学准教授のセンセイが、思想家のセンセイのインタビュー記事に対して「こんなこと言って思想とかちゃんちゃらおかしい」「メディアがこういうのにおもねるからダメなんだ」「こういうのが若者の閉塞感の元凶だ」とおっしゃってました。総選挙に関しての記事です。

 

 が、そのセンセイは大元のインタビュー記事の言わんとしていることがきちんと理解できていなくて、全く見当違いの批判になっていました(苦笑)。そもそも、これはインタビュー記事であって「思想」だなんてひとことも言ってないし。

 

 なんかもう、悲しくなりました。僕もこういう仕事をしていて、自分の書いたことが全然伝わっていなくてこの仕事がイヤになることもたくさんありますから。文章って、本当に伝わらないんです。でも、理解してくれる人がいると思うから書き続けているわけであって、それが大学准教授みたいなエラいセンセイでもこうなのかと思ったら、ちょっともう、こっちが閉塞感に襲われますよ(苦笑)。

 

 メディアが著名人を使いたがるのは確かだし、中にはたいした内容もなかったり、イメージとか知名度だけじゃん、という人も少なくありません。

 

 でも、若者の閉塞感とは全くの別問題でしょ? そもそも、若者はオッサンがそんな小難しいこと言ってるメディアなんて見ないし。准教授のセンセイがきちんと理解できないような新聞なんて読まないですよ。

 

 まぁ、スマホでしかニュースに触れなくて、500文字とか800文字にまとめられた簡潔な情報しか読解しないという世代が、あと数年経てば大人になって社会に出て行くわけですが、そうなったらメディアはどうなってしまうんだろう?と、僕はそっちの方が不安ですけどね。

 

 書き手としても、そんな少ない文字数では“ストーリー”ではなくひとつの“情報”単体しか書くことができませんし、書く側の能力も錆び付いていくような気がします。

 

 原稿とか記事って、英語に直訳すると“article”ですよね。でも外国人ジャーナリストは、自分の原稿のことを“story”と言うんです。ストーリーを書く、と。

 

 魅力的な文章というのはストーリーであるべきだと思うし、だからこそ読み手にきちんと理解してもらえるのではないかと僕は思っています。

 

(text and photo by 米家 峰起)

 

 

 

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