RACE【レース】

20140314-04

 

 ルノー・スポールF1で2014年型パワーユニット開発責任者であるテクニカルディレクターを務める徳永直紀エンジニアに、開幕前テストからトラブルの続くパワーユニットの現状について聞いた。現時点で開発に遅れがあることは認め、今後はソフトウェア面の改良によって他メーカーに追いつくことが充分に可能であると現状を説明してくれた。

 

ーーテストからここまでのルノー製パワーユニットのトラブルというのは、実際にはどのようなものだったんですか?

「トラブルはどこか特定の箇所にあるわけではなくて、ハードウェア、ソフトウェアどちらかということでもありません。ただしパワーユニットの設計上に深刻な問題があるわけではなくて、本来なら単純にテストを重ねることで改善していける要素なんですが、全体的に開発が遅れているせいでこういう状況になっているんです。そのことは我々も自覚していましたし、ヘレスでも完全な状態でないことは分かった上で走り始めていたんです」

 

ーー開幕前テスト終了からここまでの対策というのは充分に?

「バーレーンまでのテストデータも踏まえて、それからそれ以前に自分たちでも不充分だと分かっていた部分も反映させて、全く新しいマッピングで望んでいるので、大丈夫だと思っています。もちろん、それでも不安はありますけどね。どのメーカーもそうだと思うんですが、車体とパワーユニットの複合的な影響によって、走ってみると思わぬところからトラブルが出る状況で、走ってみないと分からないんです」

 

ーーバーレーンではストレートの最高速が他メーカーに比べて30km/hほど遅いというデータがありましたが、その点については?

「DRSの動作云々ということでは説明が付きませんし、単純にそれだけピークパワーが不足しているのだと考えています。ただし、それはマッピングなどの改良で対応が可能なものでもあります。

 例えば立ち上がりでのドライバビリティが良くなかったり、回転数を上げた時にはターボにノッキングが発生したりといったことで、それによってパワーが下がるんですね。しかしそういった部分のマッピングを改良すればその症状は改善していきますし、パワーは上がってきます。

 シーズンが進めばこのままと言うことはないし、むしろ他メーカーにくらべて我々の向上カーブは大きいはずです。このままじゃいけませんしね(苦笑)」

 

20140314-03

 

ーー他メーカーに比べて、ルノーのパワーユニットがピークパワーよりも燃費性能でレースタイムを稼ぐコンセプトで設計されているということではない?

「いえ、トップパワーよりも燃費に振るというような二者択一のやり方ではありません。内燃機関であるエンジン単体で見れば、最大燃料流量が決まっている以上、エンジン内に流れ込む燃料が持っているエネルギーを最大限に効率よく燃やすことが燃費向上につながるわけですが、それは結果的にパワー向上にもつながるわけですからね」

 

ーー2月28日にはすでに現在のスペックでホモロゲーション登録されてしまっていると思いますが、今後の運用と開発に問題は?

「ハードウェアは確かにホモロゲーションしましたが、それでも信頼性確保目的の変更は認められていますし、ソフトウェア面の開発は引き続き可能です。先ほど述べたようにソフトウェア面の改善によるパフォーマンスの向上も大きいと思っています」

 

(text and photo by 米家 峰起)

 

 

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