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2016 T1 BARCELONA TESTING

【バルセロナ合同テスト】F1チームはこうやって他チームの使用タイヤスペックを確認している!

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どう他チームの戦力分析をする?

 

 開幕前のテストでは各チームが連日100周を超える周回数を走り込んでいます。自分たちのテストプログラムに専念して……というのももちろんですが、それはあくまでタテマエ。もちろんどのチームも自分のポジションを知るために他チームのタイム分析は行なっています(テスト状況によってはその余裕がないチームもありますが……)。そのために、レース本番では戦略立案を担当するレースストラテジストが現場に来たりファクトリーに詰めたりして、他チームのポテンシャルを分析しています。

 

 グランプリ本番と違ってタイム計時はTSLという企業が担当していますが、全車の全ラップタイムはリリースという形では公表されません。しかし各チームは他チームの情報も含めて計時情報の提供を受けていますから、自分たちで計測しなくても他チームの全ラップタイムを知ることができます。

 

 しかし、それを元に分析する上で必要になってくるのが、その時にそのドライバーがどのタイヤを履いていたかという情報です。ピレリは各チームの各ランでの使用タイヤを把握していますが、公平を期すためにこうした情報は提供しません。

  

驚くべきアナログな人海戦術!

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 そこで、各チームは独自に他チームのタイヤ情報を収集しています。その典型がこのピット出口のスタッフです。

 

 第1回目のテストの後半にピット出口に“張っていた”のはレッドブル、ウイリアムズ、トロロッソなどのスタッフ。

 

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 彼らが手元に置いているファイルを拡大してみましょう。すると、そこには記入式の表組みがあり、各チームのドライバー、ピットアウト時間、履いているタイヤのスペック(US、SS、S、M、H、W、IM)、新品(N)か中古(U)かを記入する枠が用意されています。

 

 ちなみに、スペックはサイドウォールのロゴ色を見れば一目瞭然ですが(たまに色が薄くて黄色なのか白なのか分かりづらいときもありますが)、走っていて回転しているタイヤの新品と中古をどう見分けるかというと、新品はトレッド中央にパーティングライン(型抜きの成形跡)があるので、それを目印にするそう。

 

 ピット出口のスタッフは各車がピットアウトするたびにこれを機械的に埋めていき、あとで全ラップタイム表と重ね合わせて、どのランがどのタイヤだったかを擦り合わせてデータを完成させるというわけです。

 

 もちろんわざわざピット出口に出て行かなくても、ピットウォールでピットレーンやストレートを通過する各車のタイヤをチェックしてメモしているチームもあります。

 

 これは通常のグランプリ期間中にもよく行なわれていることで、書き漏らしたところがあると他チームのスタッフに聞いて埋めたりと、微妙な情報交換も行なわれているそうです。だったら、最初からみんなでデータを共有しちゃえばいいのに(苦笑)。

 

(text and photo by 米家 峰起)

 

 

 

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