RACE【レース】

20141002-01

 

 日本のファンの願いが届いたかのように、水曜になって決まった小林可夢偉の日本GP出走。慌ただしく都内で緊急会見を開きその日の夜に鈴鹿入りした可夢偉は、木曜の朝からチームに合流してトラックウォークをこなし、地元グランプリにかける思いを語った。

 

ーーF1ドライバーとして2年ぶりの日本GP、鈴鹿ですが、どういう気分?

「今年の場合は順位がどうとかいうよりもまずしっかり完走して、自分たちの手元にあるものでどこまで戦えるかという勝負ですね。だから、アレがどうとかコレがどうっていうのはなくて、これまでの日本GPよりは楽にアプローチできてます。ザウバー時代に比べると全然楽ですね」

 

ーーザウバー時代はやっぱり緊張もプレッシャーもあったけど、今年はとてもリラックスしているように見えるもんね。

「クルマがそこそこ走れるっていうのが分かっていただけに、どこまで限界を引き出せるかという勝負でしたけど、今年は限界を引き出す前に、FP-1で走るのかどうかもまだ分からへんし!(苦笑) ただまぁ、僕のクルマには違うゼッケンが付いてたんで、多分僕のクルマで(ロベルト・メリが)走るんやろなという気がしてしょうがないですけどね。まだボス(マンフレディ・ラベット)が到着してないんで何も分からないですね」

 

ーー差し押さえの件も?

「何も聞いてないし、ボスが来てないから何とも言えないですね。今おそらく飛行機乗ってるんだろうと。だから連絡が付かないんです」

 

ーー具体的に今回の出走を聞かされたのは?

「正式には今もまだ聞いてません!(苦笑) リリースを見て『あぁ、走るんだ!』って分かったっていう。ホンマですよ? 上の人からは特に『今回走るから』みたいな連絡は来てないんですけど、広報の人が『こういうリリースで良い?』って連絡してきて知ったんです」

 

ーーチーム側は可夢偉選手がレギュラードライバーで、何もなければ当然可夢偉選手が乗るというスタンスなのかな?

「そう思って良いのかどうか分かんないですけど、イマイチ流れが分からなくなってきてますよね(苦笑)。まぁ、もう何が起きても驚かないでしょ?」

 

20141002-03

 

ーー今回は新しいフロントウイングが入るという話も聞いているんだけど?

「一応、入るんじゃないですかねぇ。ガレージ前にはないですね。モノが着いてないというか、曖昧になってきてて。イギリスのファクトリーで差し押さえられた可能性もあるし。あんなもん取り上げてどうするんですかねぇ? 誰も買わないでしょ?(笑) 僕は買わないっすね!(笑) シミュレーターの方が欲しいな。それ日本に持ってきて商売したらちょっと儲かりそうじゃないですか?(笑)」

 

ーーポイント争いは難しい?

「もちろんそこが目標ではあるんですけど、あまりに非現実的すぎる目標だとも思います。特に鈴鹿ってタイム差がすごく小さいじゃないですか? それにコースオフしても意外とクラッシュしたりしないから、もしかしたら奇跡的なことが起きてポイントを目指すっていうのはここが一番難しいかもしれないですよね」

 

ーー日曜日は雨が降るという予報だけど?

「雨が降ってもここはグリップするから何も面白くないですよ。今はコースを飛び出しても全然簡単に戻ってこられるしね。昔やったら帰ってこられへんかったかもしれへんけどね。アクシデントなんかゼロやと思った方が良いですよ、スタート直後以外は」

 

ーーここはウエットでもグリップするの?

「するでしょ? 僕はアスファルトが変わってからここを走ってないんで分からないんですけど、他のドライバーのコメントを聞く限りではグリップするみたいですね」

 

ーー今週末はマルシアとは戦えそう?

「もしかしたら悪くないかもしれない。というか戦えるかもしれない。開けてみないと分からないけどね、シンガポールではモンツァほど良くなかったから」

 

ーーここは空力性能が問われるから厳しいのかと思ったんだけど、良いかもしれないという理由は?

「単純に、路面がグリップするから。タイヤがハードとミディアムやから、路面がグリップしないところやともう『お疲れ様』っていう感じですけど、路面がグリップしてくれればなんとか使いようはあるんかなと思いますね」

 

ーー可夢偉選手にとって鈴鹿はやはり特別?

「何かと思い出があるサーキットなんで、そういう意味では特別ですね。昔はここでそんなにレースをしたことがなかったんで特別感はあんまりなかったんですけど、F1に来てからは特別な存在になりましたね。自分で特別っていうのもおかしいんですけど、ここではいつも何かしらの結果が出せてるし、結果に表われているということは特別なのかなって」

 

ーー昨日の緊急会見では「運命だ」って言ってたのはそういう意味で?

「そうですね。そもそも2009年にここで初めて(F1公式セッションで)走ったのも運命的なストーリーやったし、あの時も雨でしたねぇ(この取材中も豪雨でテントが大きな音を立てていた)。ここから始まって、ここで終わるっていうことはやめようって冗談で話してたんですけどね(苦笑)」

 

20141002-02

 

ーーさっきコースウォークの時もたくさんのファンの人たちにサインをしていたよね。

「今年はファンの人たちがいて(カムイサポートの資金で)乗れたっていうことが一番大きいんで、やれるだけのことはやりたいなという気持ちはありますからね。今(木曜)のところはここに来てファンの人たちに手を振って声援に応えるっていうのが大事かなと思って。ただ、きちんと集中してレースをしっかり戦いたいなという思いもあります。ボスがここに到着したら『何ができる?』っていうことを聞いてそれから考えようと思いますけど、現状で(他チームと)戦えるようなクルマではないんで、どこまでやれるかっていうのはありますけど、最後は“楽しむこと”を一番に考えてこの週末を過ごしたいなと思います。特に今年は楽しむことが大事やと思うんで。楽しまないと!」

 

ーー楽しむというのが今年のキーワードだよね。

「だって、そう言うしかないでしょ? 『16位を目指します』とか『17位を目指します』なんて言うてもしょうがないじゃないですか?」

 

ーーファンの人たちに向けてメッセージを。

「天気が悪いので、必ずカッパを持ってきてください(笑)。じゃないと現地で買うことになるしもったいないと思うんで。僕は現状のクルマでできる限りのことをやるとしか言えないんですけど、心から楽しんでこの週末をファンの皆さんと過ごせれば良いなと思っています。ぜひ一緒に楽しみましょう!」

 

(text and photo by 米家 峰起)

 

Related Articles

Comment

  • トラックバックは利用できません。
  • コメント (0)
  1. コメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。

Recent Post【最新の記事】

Calendar【日付で記事検索】

2020年3月
Mon Tue Wed Thu Fri Sat Sun
« Feb    
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031