09/08
【GP2イタリア】佐藤公哉「いい加減、僕好みのマシンセットアップにしてほしい」
ーーレース1の接触のペナルティで、レース2はピットレーンスタートになってしまったけど、13位フィニッシュというのは精一杯だった?
「やれる範囲のことしかできなかったというか、今日はできることはすくなかったですね。速さ的にも今週末ずっと抱えている課題が解決できないまま終わってしまいましたし」
ーークルマのフィーリングは良くなかった?
「今日は特にクルマ全体が全然グリップしないっていう問題を抱えていて。ニュータイヤを履いているのに全然グリップしないし、あれはもうトラブルの域だと言って良いと思うんですけど。自分のいるポジションを守るのが精一杯で、乗っていても疲れるクルマでしたね。コース上では1台も抜いてないですし、ただひたすら前がいなくなるのを待つだけのレースでしたから……」
ーーもう耐えるだけのレースだったんだ?
「ブレーキングを開始する位置が他と比べても全然違ってましたね。僕は手前で踏まないとクルマが全然止まらなかったんです。ブレーキが掴んでる感じはあるんですけど、そこから先がグリップ不足のせいで制動できないような状態で、実際に何度かタイヤがズズズっていっちゃいましたから」
ーーレース1のクラッシュでモノコック交換をしたとのことだけど、その影響?
「モノコックに問題があればもっとひどい症状が出ていると思うんで、おそらくセットアップ面の問題でしょうね。いつも通り、今週末も持ち込みのセットアップをハズしていると思うんで」
ーー今週は走り始めからチームメイトはすごく調子が良くて、公哉くんは対照的な状態だったよね。
「毎週言ってますけど、チームにはもうちょっと僕のことも考えてもらってクルマのセットアップをしてもらいたいですね。今週もいつも通り2台ビッシリと同じセットアップに揃えてきてくれたので(苦笑)。いい加減、チームメイトのクルマに僕が乗るんじゃなくて、僕のクルマに乗りたいです」
ーーその点はまだ改善されていない?
「話をしても分かってもらえないんです。フリー走行でクルマに対しての不満を言っても、『いやいや、これで大丈夫。だって(チームメイトは)トップだもん』って言うんですよね。チームメイトとはドライビングスタイルが違うし、僕はもっと曲がりやすいクルマに乗りたいのに、『これで2番手だし、もうちょっとでポールだったし』って言って聞いてくれない。『オマエの言うダメなところがデータを見ても見つからない、だから分からない』って。表立っては言いませんけど、チームからすれば『このクルマにオマエが合わせろ』っていうことなんでしょうね。金曜はエンジン交換、土曜はモノコック交換でメカニックは本当に寝ずに頑張ってくれましたし、それには本当に感謝していますけど、セットアップの面ではかなり遠い位置にいると思います」
ーーレース1は2周目の1コーナーで接触してリタイアという結果に終わってしまったけど?
「ペナルティが出ちゃいましたしもう終わったことですけど、僕からすればスペースに入ったら寄ってこられてぶつかってしまったという感じです。僕も横のケータハムと争っていましたし、スペースに飛び込んでアウト側からかぶせるような感じで1コーナーをクリアしようとしただけで、不運なアクシデントだったと思うんですけど。
映像を見ても相手が寄せてきているのは分かりますし、真ん中の白いクルマが寄せてきて、僕がそこに当たっているんです。クルマの側面同士が当たっていますしね。審査員の人たちが注目したのは、誰が寄せたか寄せてないかじゃなくて、『オマエのブレーキングが遅かっただろ』っていうことだけだったんです。証拠映像も特に見ずに、『わざわざ(聴聞に)呼んで悪いけど、ブレーキが遅くて止まれてなかったよね、っていうことを言いたいだけなんだ』って言われて。相手のチームからの猛烈な抗議によって、結論ありきの裁定になったという感じですね」
ーーモノコックのダメージは大きかった?
「足下の位置が歪んじゃっていたんで、結構ひどいダメージでしたね。身体は大丈夫でしたけど、ぶつかった時の衝撃も結構大きかったですし。だから、僕が一番多くのものを失っている被害者なんですけどね(苦笑)」
ーースチュワードの裁定に対して抗議をしようかという話もあったそうだけど、それについては?
「チームの方針として、出てしまった裁定に抗議しても今後の心証が悪くなるだけだという結論に達しました。意見が凝り固まっているようなところにお金を払って抗議をしてスチュワードと争って相手を怒らせるようなことをしても、ただでさえ(悪い意味でスチュワードに)注目されているのに、今後の2イベントも余計に注目されてしまうでしょうからね」
ーー今週も納得のいかない週末になってしまったね……。
「誰に不満を言うとかじゃないんですけど、怒ってます。『大丈夫、大丈夫、次は行けるから!』って言われてここまで来ましたけど、もうそろそろ我慢にも限界がありますから。いい加減、違う言葉を聞かせて欲しいですし、クルマの乗り心地で示して欲しいですね!」
(text by 米家 峰起 / photo by 米家 峰起, GP2)
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