09/05
【イタリアGP・木曜】小林可夢偉「今自分がここにいることにビックリしています」
ベルギーGPに出場することができなかった小林可夢偉だが、イタリアGPは直前になって急きょ出場が決まった。水曜日に東京で連絡を受け急きょミラノに飛んで木曜の朝に現地入りという、なんとも慌ただしいグランプリ週末の始まり。グランプリのパドックに戻ってきた可夢偉にその経緯や心境を聞いた。
ーー(日本人メディアが待つテーブルにやって来て)あ、柴田さんのイスに座ってる!
「これがイス取りゲームです!(笑)」
ーー上手いことまとめたね!(笑) で、今週走れるというのを聞かされたのはいつ?
「昨日(水曜日)ですね。東京にいて、『走るみたいよ』と」
ーー前回とは違って、走らないならそのまま東京にいる予定だった?
「そうですね。いろいろな理由があって、来なくても大丈夫やっていう状況やったんで」
ーーどういう気持ちだった?
「とても嬉しいですって言うたら嘘になるでしょ。今の気分は、時差ボケですね(笑)。夜便で来るしかなかったんで、今日の朝到着して朝3時から起きてます(苦笑)。F1ドライバーになってからは、木曜入りっていうのは初めてですね。
絶対『どういう気持ちでしたか?』って尾張さんが聞くやろなって思って、ツイッターで尾張さんって書いたろかなと思ったんですけど、個人名はやめとこって思ってやめときました(笑)。『尾張さん、聞くなよ!』って言いたかったんやけど(笑)」
ーーチームに対して言いたいことがあった?
「いや、別にないですよ。ただ、(振り回されて)『僕はどうしたら良いの?』っていうことだけですね」
ーーこういう状況で、モチベーションを維持するのは難しくない?
「だから、パスタを食べに来たんですよ(笑)。いや、現場に来たらレースをするのが当たり前やしそれが僕の仕事なんで、そこに関してはモチベーションがどうとかいうことはないですよ。もちろんもっと時間があればしっかり準備ができたでしょうけどね」
ーーまた走れて嬉しいという気持ちなのか、仕事だから走るという気持ちの方が強いのか、どっちなんだろう?
「う〜ん……まぁ、あのニュースが本当なら僕は3人目の候補みたいなんで、乗れたとしてもそこまで嬉しいというわけではないです。チームの方針というのも、パフォーマンス云々の話ではなくなってるような気もしますしね。そもそも僕はレースをするためにここにいたわけやし、今のチーム状況を見るとレースをしに来ているというよりも違う方向を向いてますよね。僕が助けられることがあれば助けたいですけどね。それを明確にしてくれれば良いんですけど、チームもそういう状況ではないんですよね」
ーーそういう話はまだチームの人たちとはできていない?
「そうですね」
ーーひとまずクルマのアップデートはプラス材料?
「クルマがアップデートされたっていうのはプラス材料ですけど、僕はまだシミュレーターでもそのデータを試していませんし、どう出るかは分からないですね」
ーー今週末のレースでは、何ができればコバヤシ選手としては自分の仕事ができたと言えそう?
「まずはいつも通りマルシアと戦えれば良いなと思うし、そこが一番のライバルでしょうからね。それはハンガリーGPまでとは変わらずですね」
ーーモンツァは特殊なサーキットだけど、普通のサーキットよりもクルマの性能差は縮まりそう?
「わかんないですね、正直なところ。(アップデートされて)クルマがどうなってるのかも分からないし、走ってみないとなんとも言えないです」
ーー今後のレースについては?
「シンガポールね……乗れるか乗れへんのか、いつ決まるんかなっていう状況なんで……。どうするんですかね?(苦笑) チームの判断を待つしかないですね。まぁ、乗れるように努力してることは間違いないんですけど、こればかりは僕がどうするって言えるような次元の話でもないんで」
ーーその努力というのは、一部で報道されているようにこのチーム以外で走るという可能性も含めて?
「いや、そんなにそういうわけでもないんですけどね。自分の中で何が一番良いのかっていうのをちゃんと考えた上で行動しなきゃいけないと思ってます。あとはそのタイミングとチャンスと運ですね、それを逃さないようにしなきゃいけないというのは間違いないですね。ただ今の段階では、今回自分がここにいるのにビックリしてるくらいなんで、」
ーースパで乗れないと分かった時と、今回乗れると分かった時、どっちの方がビックリ?
「いや、両方ともそんな驚いてないですよ。ただ、ここにいるのが不思議やなっていうだけで」
ーー日本GPを楽しみにしているファンの人たちに一言お願いします。
「正直なところ、乗れるか乗れないかはまだ分かりませんけど、乗れるように努力していることは間違いないです。かなり壮絶な感じではあるんですけど、なんとか鈴鹿は頑張りたいなと思います。結果を出せって言われると(このクルマでは)それは難しいとは思いますけど、いろんなことを含めて自分なりに『これしかないな』って行き着くところまで行けるように頑張っています。嘘はつきたくないので、今のところ乗れない可能性もあるのは事実ですけど、まずは今週末良い走りをして、自分の中のチャンスが広がればなと思っています」
(text and photo by 米家 峰起)
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- コメント (1)
これで、インタビュー終わりですか…。