07/06
【イギリスGP・土曜】小林可夢偉「最高のチャンスを掴めそうやったのに……」
ウエットコンディションで不安定なマシンと格闘しながらも、予選Q1では絶妙の自己判断で最高のタイミングでドライタイヤにスイッチした小林可夢偉だったが、まさかのマシントラブルでピットインを強いられ、結局アタックのタイミングを失った。その後どんどん雨量が増す中でアタックしたマルシア勢が揃ってQ2進出を果たしたことを考えても、悔しい結果となってしまった。
ーーQ1最後のドライタイヤを履いたアタックのタイミングは最高かと思ったけど、いったい何が起きた?
「コースに出た瞬間にクルマがおかしくて。ERSがトラブってて全然パワーがなかったんです。で、ECU(電子制御ユニット)をリセットせなあかんからっていうてピットインして、また出て行ったんですけど治ってなくて、そのまま終了です。別のトラブルではあったんですけど、『治った』って言うてるんですけど、『絶対治ってへんやろ!』っていうような感じで」
ーーその前に出て行った時点では雨はまだ降ってなかった?
「若干降ってましたけど、まだ(アタックに)行けるくらいでした。僕が出て行ったのが最高のタイミングやったんですよね。最初にインターミディエイトで1周アタックして1周クールダウンしてもう1発アタックする予定やったんですけど、1周アタックした時点で『スリックで行けるから』っていうて帰ってきたんですよ。僕自身の判断で、絶対次(ドライタイヤのアタックでもっと良いタイム)が出て来るからこれ以上タイムを出しても意味がないからって。それで準備してドライに換えて出ていったら壊れたから、めっちゃかっこ悪い感じになって(苦笑)」
ーーもしアタックができていたら、Q2に入ってた?
「Q2には行ってたでしょ、一番良い時に出て行ってたから。マルシア(がタイムを出したの)だって僕らより全然後のタイミングですからね。僕らは上手く判断はできてたんですよ。それで美味しいところを掴みに行けてたのに、肝心なところでトラブルが出て。ああいうときにちゃんとボーン!って行ってたらねぇ。一番オイシイとこを掴めそうやったのに。バカだなぁ、ホンマに……」
ーー純粋なマシントラブルじゃない?
「そういうトラブルじゃないですね、何かの(メカニカルな)問題じゃなくて、単純に……」
ーーミス?
「まぁ、そっちに近いんですよね、どっちかというと」
ーー無線では『ガレージで問題があったからピットインしろ』って言ってたもんね。どういうことかなと思って聞いてたんだけど。
「でしょ? 僕もわからへんもん(苦笑) 信じられへん」
ーー路面状況の判断は難しかった?
「午前中よりは全然乾いてたし、タイミングだけですね。Q1の最初はまだ川が残ってたけど、思ったよりもすぐなくなりましたしね。ただ去年までよりもダウンフォースが少ないから、それで飛び出すクルマが多かったのかもしれないですね」
ーーウエットコンディションでのクルマのフィーリングは?
「ダメですね! ダメなんですけど、結局周りと同じコンディションで走ってないから、相対的な比較はちゃんとはできてないんですよね」
ーーじゃあ明日は今日のような変わりやすい天候の方が勝負できる可能性はある?
「かもしれないですね」
ーーそういう天気になる可能性が高いよね。
「なんたってイギリスですからね。フィッシュアンドチップスが不味い確率くらい雨が降るって僕は思ってるんで(笑)」
(text and photo by 米家 峰起)
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Q1で出ていったタイミングが良かっただけにファンとしては期待していたのですが、結果は非常に残念ですね…。
ここ数レース、チームが足を引っ張る状況が続いているので早く改善して欲しいものです。
新しいオーナーさんたちはいわゆるファンドなので、チーム価値を上げるためにこれから効率化を進めていくはずですから、チームの無駄な部分や能力が足りていない部分はどんどん変えて行くと思います。要するに、リストラと財政再建ですね。そういう意味で、今回の買収は良かったと思います。