06/20
【オーストリアGP・金曜】小林可夢偉「短いけどなかなか面白いし、そこそこ気持ち良いサーキット」
相変わらずマシンのアップデートはなく苦しい戦いを強いられているケータハムの小林可夢偉だが、金曜フリー走行では自身も全くの初体験となるレッドブルリンクでの走行を楽しんだようだ。FP-2ではマシントラブルで走行を取りやめなければならなかったものの、さほどダメージは大きくないと可夢偉は前向きな様子を見せた。
ーーFP-2はトラブルで走り込めなかったようですが、ブレーキング時にクルマが右に行くような変な挙動だったと聞いたけど?
「そう、ブレーキの問題じゃなくて、突然後ろのタイヤがなくなった感覚がして。何かが壊れたのかなと思って、前回のレースのこと(トラックロッド破損)もあるし安全を考えて帰ってきました。詳しい原因はまだ分かってないんですけどね」
ーーカナダの折損の原因は?
「それも特に原因があったとかではなくて、自然に折れたということらしいんですけど……そういうもんらしいです(苦笑)」
ーーリタイアした後にスマホで写真を撮影していた様子がどこかにアップされていたけど?
「マーシャルにケータイを借りてメールで写真を送ったんですけど、わけのわからんアドレスやったから迷惑ボックスに入ってて(苦笑)。せっかく送ったのに僕のケータイの方に送られてこなくて、チームには見せられなかったっていうね。ホテルに帰ってコンピュータを開いて『迷惑メールが来てるわ』と思って見たら、それでした。確かに迷惑そうなアドレスでしたけどね(苦笑)。それよりも帰り道の険しさをムービーで撮っとけばよかったですね(笑)」
ーーFP-2はトラブルのせいでプログラムがこなせなかった?
「できなかったのはハイフューエルのロングランだけなんで、特に問題はないですよ」
ーータイヤはどう?
「温まらないですね。なのにリアはタレるんですよ。意外とリアに厳しいサーキットですね」
ーーコースを走ってみた印象は?
「面白いっちゃあ面白いですよ。短いし結構単純やけどね。アップダウンがあるし、なんとなく中高速もあるし。べらぼうに気持ち良いってわけじゃないけど、そこそこ気持ち良いっスね」
ーーターン1の上りは?
「グリップしてない割には上りやから結構奥まで(ブレーキングを我慢して)行けるし、まぁ面白いかな」
ーー最後の高速2つは?
「あれはね、ポールリカールのバックストレートの右(ボーセ)みたいな感じです。(コースオフが多いのは)イン側の縁石に乗るせいというよりは、アウト側ギリギリまで行きたいっていう人間の心理で、出たくないけど出ちゃうっていう感じですね。僕も何回も飛び出しましたよ、ただケータハムなんでテレビに映されないだけですよ(苦笑)」
ーーレッドブルの2台なんかが危なかった最終コーナーは?
「あそこは出てないですね。僕らはあんなとこまで行けないですよ、サスペンションが折れるかもしれへんし(苦笑)」
ーー今回は縁石に乗るなとかそういう注意は受けていない?
「特にないですね。ここはそんなに縁石が高くないから」
ーー昨日話していた“放り込む”という走り方は上手く掴めた?
「まぁ、そういう感覚はありますね」
ーーその“放り込む”感覚というのがまだイマイチ飲み込めないんだけど(苦笑)。
「速すぎてもダメやし、遅らせ過ぎてもダメやし、“置き”に行く感じですよ。頑張るんじゃなくて、開いてる口にマシュマロを入れるために“ハ〜イ、ハ〜イ、ハ〜イ!”ってポンポン投げる感じ(笑)(と言いながら下から上へ投げる動作を繰り返す)。
クルマって頑張りすぎてブレーキを踏みすぎると前に荷重が行くし、そうすると後ろのダウンフォースもなくなるんですよ。だからクルマをニュートラルな状態でターンインに持って行けたら一番良いわけです。ターンインのきっかけだけ与えてやると、あとは自然にクルマが曲がっていくような感じ。そこに放り込むんですよ」
(text and photo by 米家 峰起)
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