RACE【レース】

20140528-03

 

 5秒ストップ&ゴーペナルティの消化を巡って議論もあったジュール・ビアンキだが、ザウバーから移籍しこのモナコGPから彼の担当レースエンジニアとなったフランチェスコ・ネンチにモナコGPの戦略を語ってもらった。これはまさに彼らの狙い通りの戦略だったという。

 

ーー5秒ストップ&ゴーペナルティをセーフティカー中に行ない、レース後に5秒加算処分を受けるという不思議な結末でしたが?

「5秒ストップペナルティをセーフティカー中に消化できないことは知っていたんだ。でもあそこでやっておくことが戦略上は我々にとって都合が良かったからやったんだ」

 

ーーチームとして狙ってやったことだった?

「あの時点ですでにレースコントロールからは5秒ストップペナルティのメッセージが出ていた。だからこのレースで1回限りのあのピットストップでペナルティを行なわなければ、不可抗力で5秒ストップを消化できなかったことにならない可能性があったんだ。ペナルティが出された時点ですでにピットストップの必要がなくなっていた場合にはレース後に自動的に5秒加算されるけど、まだ一度もピットストップを行なっていない段階でペナルティが出されたのにこれを消化しなければ、あとで問題になる可能性があった。だからああいう判断をしたんだ。

 レース結果は5秒加算で自動的に9位というリザルトになっていただろう? もし5秒ペナルティを消化するためにもう一度ピットストップを行なっていたらこの入賞は無理だったよ。戦略的には正しい決断だったと思う」

 

ーー前戦でこのチームに加わったあなたにとって、ジュール・ビアンキと組む初めてのレースでしたが、アグレッシブな小林可夢偉に対する追い抜きを含めて彼のドライビングはどうでしたか?

「彼は非常に才能のあるドライバーで、それがようやく発揮できる状況が整ってきたと言うべきだろう。カムイに対する追い抜きも特に問題があったとは思わない。僕は(ザウバーを離れて)スペインGPからこのチームに合流し、彼のレースエンジニアを務めるのは今回が初めてだったけど、非常に素晴らしいドライビングをしてくれたよ。

 もちろんこの結果は前の何台かがリタイアしてくれたおかげだ。僕らのクルマにはまだポイントを獲るだけの充分な速さはない。だけど自分たちのパフォーマンスを最大限に引き出し、目の前に巡って来たチャンスをしっかりと掴み獲ることができたのは素晴らしかったね」

 

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ーー無線で彼の方から『調査中ってどういうことだ?』と議論していましたよね?

「そう、ここはコースサイドにモニター画面がたくさんあるから、コクピットの中から自分が調査されているというレースコントロールのメッセージがテレビ画面上に出ているのを見たらしいんだ(苦笑)。でも自分たちの戦略のことをライバルたちに明かしてしまいたくなかったから、無線で全てを説明することはできなかった。常にガードレールと何ミリという距離で走っているレースだから、とにかくしっかりとフィニッシュできるよう集中するように彼には言ったんだ」

 

ーーこれからもさらに期待できる?

「クルマにはポテンシャルがあるし、信頼性の問題が解決されてようやくパフォーマンスを引き延ばす方に集中できるようになってきたんだ。マルシアは小さなチームだから、今年のような大きなレギュレーション変更の年にはまず最初は信頼性の確保に集中しなければならない。パフォーマンスの追求は二の次にしなければならなかったんだ。でもこれからはパフォーマンスに集中していけるし、クルマはどんどん速くなっていくよ。僕らのこんな活躍をまた見ることもできるはずだよ!」

 

(text by 米家 峰起 / photo by Marussia)

 

 

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