REPORT【報道】

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 2014年最終戦アブダビGPの決勝日、パルクフェルメ保管が解除されたケータハムのガレージで、メカニックが一生懸命コバヤシ選手のマシンをゴシゴシとやっていました。磨いているのではありません、ヤスリがけをしていたのです。このエピソードはこちらの原稿にも書かせて頂きました。

 

 実はこれ、サーキットの現場で塗装をやっているところ。まぁパーツの小さな塗装剥げのタッチアプとかいうのは珍しいことではないんですが、こんなに大がかりな再塗装はあまり目にする機会はありません。そのくらいケータハムのクルマがボロボロだったということでもあり、チームスタッフたちにすれば、最後のレースになるかもしれないこのアブダビGPでは綺麗な姿で走らせてあげたい、という思いもあったのかもしれません。

 

 というわけで、その再塗装の過程に注目してみました。

 

 まず、上の写真のように塗装が剥がれた箇所の周辺まで一気に紙ヤスリで塗装全体を剥がします。境界線には水色のマスキングテープを貼って、それ以上広い範囲をヤスリがけしないようにしています。

 

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 表面の塗装が剥がれてCFRP(カーボン繊維強化プラスチック)の下地が出て来たら、次はこの黒いネバッとした液体を板の上に広げて、ヘラで何度か混ぜて馴染ませます。

 

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 そしてヘラを使って、薄く均一にこの黒い液体を塗布していきます。これは塗料の食いつきを良くするためのプライマーサーフェイサーですね。塗料をいきなりCFRPに吹き付けても食いつかずにペラッと剥がれてしまいますから。もちろん、このサーフェイサーで表面を滑らかにしておいて、塗装表面を美しくするという機能も兼ねています。要するに、塗料の下地です。

 

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 プライマーサーフェイサーを塗りおえたら、マスキングテープを剥がしてしばし乾くのを待ちます。速乾性なので、あっという間に乾いていきますが、焦りは禁物。しっかり乾燥させておかないとCFRPの下地に食いついてくれません。

 

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 乾いてきたら、再びマスキングテープ。これからグリーンの塗料をスプレーで塗布しますから、塗りたくないところはマスキングしておかなければなりません。かといってベタベタとテープだらけにするわけにもいきませんから、サスペンションアームなどは布で覆ってしまって、境界線の部分だけマスキングテープで処理します。本当はボディが何色にも分かれた複雑なカラーリングなどはこうやって手作業で塗装するわけですが、最近は下地塗装だけであとはカラーフィルムを貼り付けるという方式も増えてきています。

 

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 というわけで、最後にスプレーで塗料を塗装。ケータハムグリーンのスプレーがあるんですね! ちょっと欲しいぞ、そのスプレー!(笑)

 

 しばらく待って乾燥したらマスキングテープを剥がして作業終了です。

 

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 で、完成するとどうなっていたかというと、これがグリッド上で激撮したコバヤシ選手のクルマ。え〜〜〜、あんまりキレイじゃない!(苦笑) どこを追加で塗ったかモロバレじゃないっすか! まぁ、遠目に見ると全然分からないし、近くにいても言われなきゃ分からないとは思うんですが……。でもすでにまた剥がれかけてるし(苦笑)。

 

 といった感じで、おそらくケータハム最後のペインティング作業は行なわれていたのでした。

 

(text and photo by 米家 峰起)

 

 

 

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Comment

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  • コメント (1)
    • mitsunishira
    • 2014年 12月 09日

    出来上がりの写真が…(苦笑)
    それも含めて、いろんな状況までとてもわかりやすいレポートでした!

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