REPORT【報道】

20141002-04

 

ーートップアスリートとして、ご自分の中でルールというのはありますか?

 

葛西「たくさんありますけど、僕は40歳を超えても毎日ランニングはすることにしています。30〜40分なんですけど、毎日続けるというのが難しいんですよね。試合の時には減量もしながら体調も合わせなきゃいけませんし、そのあたりが自分のルールですね」

 

ーー結構ストイックなルールを作る方ですか?

 

葛西「そうですね、自分を苛めるのが好きなのか(苦笑)、断食をしたりもしますね」

 

ーーバトン選手は?

 

JB「多くのアスリートがそうだと思うんだけど、F1ドライバーだってクルマのどちら側からコクピットに入るとかそういうゲン担ぎみたいなルールはあるよ(笑)。もちろんフィジカルなルールもある。F1マシンをドライブするのには凄まじいGフォースと振動に耐えなければならないから身体が受けるストレスも相当なものだし、スピードと戦うためにメンタル面も疲労がある。だからF1に乗っていないときもフィジカルを鍛えることはとても重要なんだ。

 僕は今34歳で最年長ドライバーの1人で、最も経験豊富なドライバーの1人でもあるけど、クレイジーな経験ばかりだからまだ全然若い気持ちでいるんだけどね。昨日は富士山の周りをサイクリングして、富士山の全てを回ってきたよ。F1の世界に長くいると、そんなふうにフレッシュな体験を味わうことも大切なんだ。

 F1は反射神経が重要だから、リアクションを鍛えるトレーニングもしている。僕は元々そんなに反射神経が良いわけではないんだけど、鍛えたおかげで今でも20代の若いドライバーにだって負けない反射神経を備えていると思うよ。

 大切なのは、そうやって自分を鍛え続けることだと思う。人間というのは、どれだけの偉業を達成したとしても、全てを知り尽くすことなどできないんだ。だからどんな人でも常に学び続けているし、常に少しでも良くなろうと心に刻んでおくことが大切なんだ」

 

葛西「常に勝たなければいけないというプレッシャーがあると思うんですが、1どのようにプレッシャーに打ち勝っているんですか?」

 

JB「僕にとって大切なのは、良い人が周りにいることかな。どんなスポーツだって大きなプレッシャーや自己の感情と戦うのは簡単なことではないけど、僕は家族や友人などが周りにいてくれるほうが苦しい時を戦い抜くことが楽になる。もちろん、苦しいときだけじゃなくて楽しいときもそばにいてほしいけどね。今年はもう15年目のシーズンになるけど、僕の人生にとってはかなり大きな部分を占めているし、大切な人たちとともにこの世界で経験することを楽しんでいるんだ。彼らがそばにいてくれることは、僕にとってものすごく大きなことだよ」

 

ーー葛西選手も冬季オリンピックが行なわれた今シーズンは周りからの期待は大きかったですよね?

 

葛西「そうですね、今年は調子も良かったですし、オリンピック前には主将という大役も命じられ、国民の期待を背負っての個人と団体のジャンプでした。本当に口から心臓が出そうなくらい緊張しましたね。でもこういうチャンスは二度とないんだと自分に言い聞かせて、このチャンスをものにしなきゃいけないんだという思いで集中力を高められたおかげでプレッシャーに打ち勝てたんじゃないかと思います。バトン選手と同じように、家族に支えられ、ファンに支えられ、会社に支えられてここまでやってこられたんだと思っています」

 

20141002-06

 

ーー今回は「大切なものを守る」というテーマでのトークなんですが、葛西選手はメダリストとなったことで「大切なもの」に変化はありあしたか?

 

葛西「成績を出すことも大切なんですけど、母を亡くしたり妹が重い病気なったこともあって、家族を元気づけてあげたいという気持ちも持ちながら、支えてくれる人たちのおかげでジャンプが続けられているという感謝の気持ちも持って試合に挑んでいますね。感謝の気持ちは大切にしています」

 

JB「F1は僕の人生の大部分だから、キャリア(成績)はもちろん大切だよ。僕にとってレースは『勝ちたい』というよりも『勝たなければならない』というようなものだ。

 でも家族はもっと大切だ。素晴らしい成績を挙げてこられたのも家族のおかげだし、世界チャンピオンになれたのも15勝も挙げてこられたのもこうして今も世界中を旅していろんな経験をさせてもらえているのも、家族や親友たちの支えがあったからこそだからね」

 

ーーでは、最後にお二方から今日の感想を頂戴したいと思います。

 

葛西「僕はこういう運命の出逢いを大切にしていて、なぜかすごいパワーを持っている人と引きつけられるんです。僕がソチで獲ったメダルのパワーもジェンソンさんにお渡しできたのではないかと思いますし、日本GPでは最高のパフォーマンスを出して優勝を目指してもらいたいと思います」

 

JB「日本GPは僕にとって第二のホームグランプリのようなものだし、日本に来ることも鈴鹿という素晴らしい特別なサーキットでレースをすることもすごく楽しいよ。日本のファンはあらゆるドライバーを応援する素晴らしいファンだしね。

 もちろん僕らにとって楽なレースにはならないと思う。表彰台の真ん中に立つのは難しいと思うけど、それでもできるだけの結果を手に入れるためにベストを尽くしたいと思っている。

 2003年にBARホンダに加入して以来、個人的にも日本とのつながりが多いし、もちろんフィアンセも日本人だしね。だから今週の日本GPに向けてすごくワクワクしているよ」

 

20141002-05

 

(text and photo by 米家 峰起)

 

 

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