REPORT【報道】

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 ケータハムがオーストリアGPに参戦せずF1から即時撤退すると一部で報じられていたが、トニー・フェルナンデスがTwitterで「ケータハムF1チームはオーストリアでレースをする。疑いの余地はない」と表明しこの噂に終止符を打った。彼らにはまだ参戦を継続しなければならない理由があり、即時撤退はないというのが関係者の間での見方だ。

 

 そもそもこの即時撤退報道というのが、Twitterで噂になっているというだけの根拠に乏しいものだった。報じたのはGMMが配信した記事(とそれをコピー掲載したウェブサイト)のみ。つまり、Twitterで噂が拡散したというだけのことだ。その間、ケータハムF1チームもGP2のケータハムレーシングも、オーストリアに向けてファクトリーで作業やロシアでPRイベントを行なっており、普段と何ら変わらない状況だった。

 

 フェルナンデスがケータハムの市販車事業だけでなくF1チームを始めとしたレース事業も売却したい意向であることは事実だ。しかし彼が狙っているのはある程度の損失を受け入れて“手仕舞い”にすることではなく、5年間の投資に見合った収益を上げて“売り抜け”ることだ。

 

 チームが抱えた負債(外部サプライヤーへの未払い)も含めてそれ相応の価格で売却するためには、ファクトリー施設だけではなく、F1参戦権は必須条件になる。これから新規参戦を目論む団体がいくつか存在するだけに、彼らに対してのチーム売却を考えるのであればF1参戦権は絶対に失うわけにはいかない要素なのだ。

 

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 だからケータハムがF1から即時撤退することは考えられない。そうなるとすれば、フェルナンデスがチーム売却を断念し、ここまでの巨額の損失を受け入れることを決めたときだけだ。しかしすでにマシンも設備もある以上、実際の出走にかかる実費はたいした額ではなく、フェルナンデスが負担していくことは充分に可能だろう。FIAに撤退とみなされない2戦の欠場猶予を最大限に使う可能性はあるが、それがあるとすれば参戦費用が高く付くフラアウェイ戦になるだろうし、今シーズンは最後まで参戦を続けるはずだ。

 

 フェルナンデスはシーズン末までの最低限の活動資金は担保しているとも言われている。ただし、現状の予算でチームに許されているのはただ走ることのみで、成績を残すためのそれ以上の開発努力を行なうためには追加の予算が必要になる。

 

 ルノーへの支払が滞っているという噂があり、チーム側はこれを否定しているが、これが事実であったとすればルノー側がエンジンの供給をストップする可能性はある(実際には現物はデリバリーされているのでルノーのエンジニアが火を入れないというかたちを取るが)。しかしルノー側もこれをやってチームが撤退ともなれば2400万ユーロ(約33億円)ともいわれるパワーユニット代金を回収できなくなる危険性があるため、レースごとの分割払いなどにも応じるはずだ。

 

 昨年はシーズン終盤戦に入ってドライバーに1レースごとに3000万円の追加持ち込みを要求していたというケータハムだが、もしかすると今季も終盤戦はドライバーの持ち込み資金に頼らなければならなくなるかもしれない。

 

(text by 米家 峰起 / photo by Caterham)

 

 

 

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