【アプレゲールですいません。】全21戦世界各国でのネット回線事情
こういう仕事をしていると1年間で20カ国を転戦しますから、ネット環境は結構大変です。メディアセンターはネット回線が無料のところも増えてきましたが、上海みたいに4日間で1000元(約16,000円)みたいな法外な値段のところもいくつかあります。
ケータイも海外で使うと通話は発信も受信も高いお金が掛かりますし、データ通信をやるとパケホーダイ対象キャリアでも1日2980円ですから1レース週末の4日間使うと1万2000円、1カ月に2レースあると2万4000円でパケ死してしまいます。
でも『F1LIFE』では『現地直送便』でリアルタイムでどんどん現地の様子をアップしていきますから、ケータイにもネット回線は必要です。
で、どうしているかというと、ポケットWIFIです。これに現地のSIMを挿して現地回線を使ってネットに接続しています。
メディアセンターの回線が高額なところでは、メディアセンターでもこれを使っていたりします。先日のバルセロナ合同テストもそうで、カタルーニャ・サーキットはネット回線が1日15ユーロなので、テスト2回で8日間も使えば120ユーロ(約1万6000円)にもなってしまいます。
が、このポケットWIFIにイギリスの『Three』というキャリアのSIMを挿すと、25ポンド(約3800円)で12GBも使えてしまいます(1年間有効)。ちなみにバルセロナの8日間で使ったのは7GBほどでした。
このSIMカードは日本のAmazonなどでも購入できますが(5000〜6000円ほど)、イギリスでは4G回線、それ以外のヨーロッパ各地やアメリカなど様々な国では3G回線が使用できます。その対応国の多さが魅力です。
容量を使いきった時の追加チャージがイギリスのクレジットカードでしかできないので、僕は常に予備の新品SIMカード(12GB分)を持っています。
現状、F1開催国の中でThreeのSIMが対応していない国は中国と、バーレーン、アゼルバイジャン、アブダビの中東諸国、それとアメリカ系のカナダ、メキシコ(アメリカ合衆国は対応)。こういう国では現地に行ってからプリペイドのSIMカードを買います。たいていは空港で売っていて、空港のスタッフは海外客にも慣れているのでサクッとやってくれます。メキシコだけはそれがなくて街中のテルメックスショップに行ったのですが、英語もなかなか通じず結構大変でした(苦笑)。
中国は現地でも買えますが(空港の到着口で売ってます)、やや割高。ですが日本でも購入できるこちらの香港のSIMカードが2GBで1250円ほどと安価で、なおかつ普通のネット回線ではファイヤーウォールに阻まれて繋がらないFacebookやTwitter、LINE等のSNSやGoogle関連のサービスにも普通に接続できるので便利です。こちらは容量を使いきったらオンラインでチャージが可能です。
ポケットWIFIの端末自体は1万円ほどで購入可能ですし、SIMカードも数千円。これで何万円分ものメディアセンターのネット回線料金がセーブできて、なおかつケータイも屋外でもどこでも常にネット接続可能ですから、非常に助かっています。2017年の開幕前テストから導入して1年間運用してきましたが、2017年に採り入れたものの中で最も満足度の高いアイテムだったと言えると思います。
5日以上の旅行でパケホーダイを使うことを考えるだけでもすぐに元を取れてしまうくらいの金額で導入できますから、かなりおすすめです。
とまぁ、こんなふうに色々と工夫しつつ取材環境を整えて『F1LIFE』読者の皆様に情報をお届けしているわけです。
(text and photo by 米家 峰起)
こんなのもありますよ。
世界100ヵ国で使えるモバイルルーター「Skyroam Solis」
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/412/412307/
他にもe-SIMを使ったものがいくつかあったんですが、現地でSIMを購入しなくてもいい便利さはあるものの、通信費は格段に高いんですよね。もう少し安くなればこういうデバイスも使いたいんですけどね……。