REGULAR【連載】
【こぼれ取材メモ】フェラーリのノーズに穴は空いている? 空いていない?
ノーズの先端に冷却用の開口部を持っているF1マシンは少なくありませんが、逆に空力的な影響を考慮して全くなしというマシンもあります。そんな中で、穴が空いていないようで実は空いているという微妙な存在がフェラーリSF70Hです。
他マシンのような大きな穴は空いておらず一見しただけではただの赤いノーズに見えますが、実は細いスリット状の開口部が2本入っています。
初期型は細いスリットでしたが(冒頭写真)、その後はスリット自体が少し太くなると同時に下端がややラウンド形状に(それ以外の写真)。
これは冷却のためだけでなく、気流の密度が高くなってしまうノーズ先端部分の気圧を下げる狙いもあると言われています。穴を空けることで気流がスムーズにノーズの前後左右に沿って流れていくというのも不思議な話ですが、先端の気圧が高くなりすぎればそれだけ気流は外へ弾き飛ばされてしまいますからね。
アブダビGPにフリー走行中に、カナル+のラテンアメリカ局がこれを見付けてレポートしていました。フジテレビは“ピットレポーター”というのがいなくなってしまいましたが、中継の中でピットレーンからこういうちょっとした小ネタを上げてくれると楽しそうですね。
だってほら、彼らが中継していたらフランスのテレビ局の解説をやってるフランク・モンタニー(右)もやってきて「なんだなんだ?」って興味津々で見てるし(笑)。
(text and photo by 米家 峰起)
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