REGULAR【連載】

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 今回は特別編として、F1ドライバー全般の習性についてお届けしようと思います。まずF1ドライバーって、常にオシッコがしたい生き物だっていうお話(笑)。

 

 よくF1ドライバーがドリンクボトルを持っている映像や写真を目にするかと思いますが、ドライバーたちは常に水分と栄養素を摂取して、要するにデトックス的なことをやっています。ちなみにドリンクボトルはレッドブルだったりHYPEだったりスポンサーの柄になっていたりしますが、中身のドリンクはフィジオセラピストが配合したスポーツドリンクで、簡単に言うと水とナトリウム、つまり薄い塩水みたいなものだそうです。

 

 それはさておき、こうして常に水分を摂取していますから、頻繁に尿意をもよおす状態になっています。それでもドンドン水分を摂取して、ドライブする間に大量の水分が失われるのに備えて、限界まで水分を摂取しておこうというわけです。

 

 そんなF1ドライバーたちですから、実はスタート直前のパドックではトイレ大戦争が起きています。スタート30分前にピットガレージを後にして何周かしてグリッドにつき、15分前にグリッド前に集合して国歌演奏が行なわれる頃には、みなさんもう限界(苦笑)。演奏が終わって解放されると、ここからダッシュです。

 

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 ヨーロッパラウンドならモーターホームがありますから、上位チームなら自分のチームのモーターホームのトイレに駆け込めばOK。ですが、モーターホームによってはトイレがなかったり、グリッド位置から遠すぎて、サーキット内の公共のトイレを使わざるを得ないときもあります。

 

 フライアウェイ戦の場合は、ほぼ全てのドライバーがピットビルディングのトイレに駆け込みます。スタート直前のピット裏では、トイレ戦争が勃発しているわけです(笑)。「全部使用中! ピンチ!」みたいなことにならないように、国歌演奏中にフィジオが先に行って押さえておくといったこともやります。ドライバーによっては個室で精神集中もしたいという人もいますし、フィジオが外で待っていて時間になったら声をかけるということもやっています。何分前にノック2回、時間が来たらノック3回、みたいな。スタート5分前にはグリッドに戻ってマシンに乗り込む準備をしなければなりませんからね。

 

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 それでも、ピットガレージ周辺にトイレがあるサーキットはまだ良いんです。カナダやバクーみたいな特設サーキットの場合、トイレも仮設で数が少なかったりしますから、もう本当に戦争です。下位チームのドライバーなんて、遠いところのトイレまでダッシュで行って、ダッシュで帰ってくるみたいなこともあります。グリッド位置がピットから遠かったりしますしね。

 

 グリッドからピットレーン、パドックと移動する際、ピットウォールの切れ目まで移動するのを面倒くさがってウォールを乗り越えるひとがいますが、ピットレーンからパドックへ移動する際、セバスチャン・フェッテルが他チームのガレージを余裕で抜けて行くのはご存じの通り(笑)。通常、他チームのガレージというのは立ち入り禁止ですが、まぁクルマもないしいいじゃん!という感じです。ガレージ裏にはいろんな機密があるんですけどね。

 

 バクーではマノーの2人がダッシュしていました。自チームはターン1側のほぼ端っこで、グリッドは最終コーナー側の後の方。パドック側に抜けるのにいちいち自チームのガレージまで移動していられません。なので、彼らは“お兄さんチーム”であるメルセデスAMGのピットガレージを通らせてもらっていました。きっと、「スタート前に通らせてね」と事前に話をしていたのでしょう、メルセデスAMGのスタッフがガレージ通路のところで案内していました。

 

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 といったわけで、スタート直前のF1ドライバーというのは結構大変なのでした。

 

(text and photo by 米家 峰起)

 

 

 

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