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【アプレゲールですいません。】いつまで「熱害、熱害」言ってるの?

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 そういえば、今年の日本GPで大勢のメディアの人が取材に来て、ホンダの新井さんに対して「熱害、熱害」と繰り返し聞いている人が何人かいて、「なんで?」と疑問に思っていたのですが、このほどようやく理由が分かりました。

 

 ずっと現場で取材している僕らからしたら、熱の問題なんてとっくの昔に終わった話だったし、『F1LIFE』で常に最新のナマ情報を読んでおられる読者の方々にとってもそうであったはず。でも最新情報に触れていない人たちにとっては序盤戦の熱のイメージがそんなに強烈で、いまだにそれが残ってるのかなぁ?と思っていたりしました。

 

 が、NHKで放送された『F1世界最速への挑戦』というあのドキュメンタリー番組を先日たまたまYouTubeで見付けて、それを見てみたらスッキリしました(特に第2回の方)。最も大きな影響を及ぼしたのは、これだったんですね。著作権的にはNGだと思いますのでここではリンクは紹介しませんが、検索すればすぐにヒットすると思います。

 

 もちろん開発の現場やレースの現場では熱との戦いもあっただろうし、それ以外の戦いもたくさんあったはず。だけど、熱対策ばかりがものすごくフィーチャーされていて、あたかもホンダのパワーユニットが熱のせいで性能が出ていない、みたいな感じのストーリーになっていたんですね。

 

 確かに、これだけを見ていて現場で取材をしていなければ、シーズン後半戦になってもまだ熱害と戦っているような印象を持ってしまってもおかしくないかも。まぁ、メディアに携わる人間が取材もせずにそれをあちこちで喧伝するのは困りものですけど(苦笑)。

 

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 F1の認知度を上げるためにはNHKのようなところでこうした番組を放送してもらうことはとても有意義なことです。一般の視聴者に分かりやすくするために、こうしたひとつのトピックスを軸にストーリーを組み上げることも大切でしょう。

 

 問題は、専門メディアがそれで分かった気になっていたり、その次元で理解がストップしていてはいけないということです。余所から仕入れた後付けの知識だけをベースに発信するのではなく、自分で取材をしてもっと掘り下げてから書くべきです。

 

 何十人もメディアが帯同していた第3期までと違って、今回の第4期では現場で取材している日本人はほとんどいません。ほぼレギュラーで追いかけたのは3人だけです。それ以外はネット経由の情報だけです。その点をきちんと把握して発信していかなかったがために、今年のホンダがあらぬ誤解を受けたり批判の目を向けられたしたところもなきにしもあらずだったことは、皮肉にもこのNHKの番組を見て改めて感じざるを得ませんでした。

 

(text and photo by 米家 峰起)

 

 

 

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