【アプレゲールですいません。】5月1日に思うこと。
5月1日。モータースポーツファンの方なら、この日は特別な日だと思います。1994年、アイルトン・セナが亡くなった日です。
僕もテレビ中継でそのことを知って、ショックを受け、しばらくF1なんて見たくないという気持ちになったのを覚えています。
でもF1はセナの死から学び、安全性を飛躍的に向上させ、今も安全性追求の手を緩めていません。そして、賛否両論あるかも知れませんが、間違いなくF1は進歩し続けています。
僕自身も、F1なんて見たくないという気持ちがありながらも、やっぱりいつの間にかまたF1を見て、いつの間にかF1に携わる仕事に就くことになりました。セナみたいに立派な仕事はできないかもしれないけど、自分が大好きだったF1の世界のほんの端っこのほうでも身を置くことができて、幸せだと改めて感じます。
こういう世界だから、いくら対策をしていようとも、安全に絶対ということはありません。去年のジュール・ビアンキの事故がそうでした。それ以外にも、本当に紙一重だった事故もいくつかありました。
そして、5月1日を前にスパ・フランコルシャンからはWECの第2戦に参戦していた中嶋一貴が大クラッシュをして病院に搬送されたというニュースが伝わってきました。検査の結果、第4脊椎を圧迫骨折していたものの、本人はそれ以外は至って元気だということでホッとしました。
しかし怪我が怪我だけに復帰までには少し時間がかかりそうです。WECの代役にはリザーブドライバーの小林可夢偉が起用されることが確定的のようです。シーズン後半のF1復帰を狙っているコバヤシ陣営としては、微妙な決断を迫られることになるでしょう。
4月上旬に話した時は、次のように語っていました。
「WECはあくまでリザーブドライバーなんで、そんなことは起こって欲しくないけどレースドライバーに怪我あったりしたら乗るというだけで、僕が何かをするというわけではないですね。僕の中ではスーパーフォーミュラをしっかりとやるということ、そしてスーパーフォーミュラを一般の人たちにも広めるということが今年の役目だと思ってます。その傍ら、もちろんF1も諦めたわけじゃないので良いチャンスがあれば来年、再来年でも掴んでいくべきだと思うし」
また、一貴選手はスーパーフォーミュラのほうも何戦か欠場することになりそうですし、トムスのシートを巡って国内でも一波乱あるかもしれません。一貴選手自身はなんとかル・マン24時間にも出場したいと言っているようですが、ル・マンも高速コースで夜間走行もあるだけに危険と隣り合わせですし、とにかく今は身体を治すことを第一に考えてもらいたいです。
(text by 米家 峰起 / photo by TMG)
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