F1リアルスコープ

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 今回の【F1リアルスコープ】は、予選後のトップ3インタビューや木曜・金曜のFIA記者会見が行なわれるあの記者会見場の裏側に潜入します。

 

 最近では決勝後の会見が表彰台でのインタビューになってしまいましたが、予選後のテレビインタビューはここから放送されますし、木・金曜のFIA会見、さらに予選・決勝後の記者会見もテレビインタビューとは別にここで行なわれます。

 

 実はテレビ中継用の会見は記者会見場とは別に用意されたスタジオから放送されることもあるのですが、その設置スペースがないサーキット(モナコ、スパなど)は同じ会見場から放送するんです。着席している記者やカメラマンたちには「しーっ!」といって静かにしているように指示されます(苦笑)。もちろん、テレビ中継の間は会見場の出入りもできません。 

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 テレビではしっかりとした作りのスタジオのように映っているかもしれませんが、実際のセットは割と簡素な作りです。机とイスがあって、その後ろにラウンド状の背景パネルが立っているだけ。木曜・金曜の会見の時には5〜6人が出席するので、机は前後に2列並べられます。

 

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 机の前にはそのグランプリ名が刻印された金属のプレートが装備されます。机の上には以前はマイクが設置されていましたが、最近は出席者がヘッドセットを付ける方式になりましたね。見た目的にはあんまり良いとは思いませんが……。


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 イスは各グランプリが独自に用意するもので、結構バラツキがあるというか、まぁ普通のイスです。モナコのイスなんか、あんまり座り心地は良くなさそうです。

 

 イスのところにはそれぞれヘッドセットとそれ用の音声ケーブルが備え付けられています。

  

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 これがドライバーたちが身に着けるヘッドセット。

 

 細い金属のワイヤでできたフレーム(もちろんビニールでカバーされていますが)にマイクがついていて、これを両耳に引っかけて装着します。記者会見が始まる前にFOMのスタッフが手伝って装着してくれます。

 

 日本人でこれを身に着けたことがあるのは、コバヤシ選手とホンダの新井さんだけですかね……。

 

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 先端がマイクになっています。映像じゃ映らないくらいかなり小さいですが、ここまで近付くと普通にマイクの形をしているのが分かります。

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 記者会見場の音声の管理は、ヤマハのデジタルミキサーLS9-16で行なっています。音楽制作の現場などでも使われている定番デジタルコンソールです。最大6名の出席者と司会者、それから会場からの質問者用の数本のマイクだけですから、16チャンネル(モノラル32チャンネル)で充分なんですね。

 

 基本的にはミキサー担当スタッフが喋っている人のマイクのみフェーダーを上げ、それ以外のマイクはフェーダーを下げてノイズの混入を最小限にしています。

 

 もちろん、万一のトラブルに備えてバックアップ用にアナログのコンソールも用意されています(前方)。

 

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 モナコの記者会見場の全景はこんな感じ。モナコは全19戦の中でもちょっと狭めですが、座席の数は約100席。もちろんFIAから各サーキットに対してこうした確保すべき最小限の座席数や広さなどは指示がなされています。

  

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 ちなみに、ステージから見える景色はこんな感じ。トップ3のドライバーたちはこんな光景を目にしながら喋っているんですね。会場によっては両サイドにもテレビカメラがいたりするし、意地悪な質問をするジャーナリストもいたりするし、巨大な望遠レンズを構えているカメラマンも大勢いるし、普通の人ならビビっちゃいますね(苦笑)。

 

(text and photo by 米家 峰起)

 

 

 

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