【USGP・木曜】F・アロンソ「新ICEで来年に向けた手応えは掴めている」
ーーロシアGPの金曜日で試した新しいICEを今週末に実戦使用することになりますが、手応えは?
「コクピットの中でそういう違いを感じ取ることは難しいけど、データを見るとエンジンは僕たちの期待通りの進歩を果たしてくれていたし、ポジティブなサインだよ。僕たちのパワーユニットはその使い方のコンセプトが他メーカーとは異なるわけだけど、今週末ここできちんと使ってポテンシャルを最大限に引き出せればと思う。今回のアップデートは来年のパワーユニットのためのフィロソフィでもあるし、方向性としてはハッピーだよ」
ーーその進歩が結果に繋がりそうですか?
「もちろん天候が大きな“クエスチョンマーク”だから、場合によっては性能の向上を最大限に生かせないかもしれない。ドライなら17位のところが、ウエットならそのコンディションに合ったタイヤを選ぶことで7位くらいまで浮上できるかもしれないし、そういう意味では得るものはあるかもしれない。でも今週は車体側にも興味深い新しいパーツを持ち込んでいるし、その評価という意味では難しくなってしまうからね。雨が降れば2周と同じコンディションがないことだってあるしね。今週はいろんなことを学びたいんだけど、天候のせいで走行時間がかなり限られてしまいそうなのが残念だね」
ーーそうは言っても、非力なマシンならウエットの方がいいのでは?
「確かにチャンスは多くなるかもしれない。でも過去の傾向を見ても、レッドブルやトロロッソだってウエットでは速い。完全に雨の予選というのは久しぶりだし、マクラーレンがウエットでどこまでやれるか、見てみないとね」
ーー来年に向けた進化は見えているんですか?
「来年は2.5秒インプルーブして、そうすれば勝てるよ。現実的だと思うかって? そう思うよ。
今のF1はパワーユニットとか空力とかいろんな物が一体となってパッケージとしての勝負だ。それを理解し、改善しようとしている。詰めなければならないギャップは大きいし、信頼性の面でも改善しなければならない幅は大きい。だけどこの数カ月、チームは理論的に進歩の過程を辿ってきている。
チームのみんなはリラックスしてレースを楽しんでいるように感じられるし、みんなで一丸となって挽回しようという気持ちに満ちている。今のパフォーマンスはこういう状況だけど、チームは一体となっているし、ポジティブな雰囲気だよ」
ーーホンダのパワーユニット改善は現実的でしょうか?
「彼らは来年のパワーユニットに関して楽観的な見方を示しているよ。今年の彼らは予期していなかったことをたくさん学んだ。理論やベンチテストとコース上の実走とは違うからね。そこから新しいフィロソフィやアイディアが生まれているし、僕らは1周走るごとに新たなことを学んでいる。その点では他のメーカーはすでにある程度のことが分かっていて今のパワーユニットを開発しているわけで、そう考えれば来年の僕らは他のどのメーカーよりも大きなステップが踏めるはずだ」
ーー今週末ルイス・ハミルトンが3度目のタイトルを獲る可能性がありますが、そうなれば彼も偉大なドライバーの仲間入りと言って良いのでしょうか?
「もう獲ったようなものだと思うよ。3度というとニキ(・ラウダ)もそうだし、アイルトン(・セナ)もそうだ。もはやルイスを彼らと別の扱いをすることはできないだろう。彼もF1を代表するベストドライバーの1人と言うべきだ。もちろん僕たちも彼に対してリスペクトしている。彼が素晴らしいのは、(マクラーレン時代に)ベストなマシンをドライブしていなくても何度も勝ってきたということだ。それは誰にでもできることじゃないんだ」
(text and photo by 米家 峰起)
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