【会見全録】情報隠蔽!? ロン・デニスのアロンソ事故説明会見(1/2)
2月26日、最終バルセロナ合同テストの初日にロン・デニスがメディアを集め、前週の同サーキットで起きたフェルナンド・アロンソの事故に関する説明会見を行なった。
すでにチームは23日の時点で「ターン3入口でワイドになりアウト側の人工芝に乗り、トラクションを失ってマシンが不安定になりリアがふらついてイン側に挙動が乱れイン側ウォールに衝突した」ことと「マシンにメカニカルトラブルは一切なかった」ことを声明で明らかにし、「強風による影響と考えられる」と結論づけている。その声明内では「空力的圧力(ダウンフォース)が失われた形跡はなく、事故の前後ともに電気的な放電やERSの異常作動はなかった」ともしている。
感電に関する噂を正式に否定し、「フェルナンドは最初の衝撃の瞬間まで(ブレーキペダルに)フルブレーキングの圧力を掛けており、ダウンシフトも行なっていた。つまり衝突以前の時点で彼が意識を失っていた可能性はあり得ない」としている。
当初はエリック・ブリエと2人での会見の予定だったが、一人で現われたデニスは報道陣を前に「非常にシンプルな会見だ。フェルナンドの事故についてソーシャルメディアを中心に様々な意見や憶測が広がっているが、我々としてはここでそういった誤報を正し、状況を明確にしておきたい」と語り、状況の説明を始めた。
その記者会見のほぼ全てをお届けする。マクラーレンが事故について歪曲した情報を伝えている、または情報を隠蔽しているといった報道も過熱しつつあるが、その成否は外部の人間には分からない。この会見を通じて皆さんはどのようにお感じになるだろうか?
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「まず私から申し上げたい事実は、フェルナンドを病院に留め経過観察を行なうというのは我々ではなく病院の意思によって決定されたものであるということであり、スキーやアイスホッケー、ラグビーなどで過去数カ月に起きた事故でも同様だが、頭部外傷の場合はそれ相応の休息を取らせるというのが現在の医学界における通常の処置だ。事故を起こし頭部に衝撃を受けた場合、病院に搬送されて検査を受けるというのは通常のプロセスであり、CTスキャンやMRIによる完全な検査の結果、彼の身体・脳には何の問題も無いことが確認されている。
スペインにおけるフェルナンドに対する注目度は非常高いためこうした混乱を招いた感もあるが、我々としては医師たちの判断を支持する。感電したという噂や憶測が流れているが、もし仮にそれが事実だったとしたらフェルナンドの身体にはその痕跡が残り48時間以内にその症状が現われているはずだ。しかしフェルナンドは全くの健康体であり、感電の痕跡は一切無い。
また、我々は詳細にわたるクルマの分析を行なった。ご存じの通り、現在のF1マシンはテレメトリーによってマシン状態を詳細に記録しており、事故当時にタイヤ内圧の低下やダウンフォース量の低下など事故を引き起こすような要因は何一つ確認できなかった。
事故当時にあのコーナーにいたマーシャルやファンの数名にも事情聴取を行ない、当時非常に強い突風が吹いていたことは確認済みだし、フェルナンド自身もそれまでのランにおいて常に強風のせいでマシンが動き回りトリッキーであるとフィードバックしていた。だから我々としては彼自身と外部の第三者の証言から強風による事故と結論づけた」
ーーフェルナンドが検査後に病院に3泊もしなければならなかったのは?
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