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【ロシアGP・木曜】小林可夢偉「ソチ新サーキットはミッキーマウスでストップ&ゴー」
日本GPに続いてロシアGPでも走ることになった小林可夢偉は、水曜のうちに日本を発ってロシアへやってきた。明けて木曜の午前中から初開催のソチ・アウトドロームを歩き、サーキットの各所をチェックした。サーキットの印象や日本GPで苦戦を強いられたクルマの状態について語るとともに、ジュール・ビアンキの事故についても可夢偉は自分なりの見解を語った。
ーーソチの新しいサーキットにやって来ましたがこの印象は?
「新しいサーキットですけど、デザインした人が他のサーキットと同じだけにサプライズなコーナーはないし、ほとんど90度コーナーばっかりやなっていう印象ですね。長い左のターン3だけで、あそこはタイヤに厳しいコーナーかもしれませんけど他はストップ&ゴー的なコーナーばっかりなんで、アブダビとかシンガポールみたいな感じですね」
ーーバレンシアの市街地サーキットっぽくもない?
「オレンジジュースとパエリアさえあればバレンシアですね(笑)」
ーーゲームで走っていたけど、実際に歩いてみた印象は?
「意外にコース幅が狭いなっていう感じですね。ゲームは縁石に乗っても何もならへんし、ゲームは所詮ゲームやからね。ランオフエリアも狭いし、今回ブレーキがなくなったら間違いなく刺さりますよ(苦笑)」
ーー唯一とも言える高速コーナーのターン3は?
「ティルケ曰くトルコのターン8をイメージしてつくったらしいですけど、なんかボールを置いてぴゅーっと(半円を描いて)したようなコーナーですね。何個かエイペックスがあってコンコンコンっていうのができるんかと思ったらただの丸やったから、なんでああなったんかよく分からないですね」
ーーオフキャンバー(逆バンク)?
「オフキャンバーですね。だからドアンダーですよ」
ーー低速コーナーのイン側の宴席内側には小さな山が付いていたよね。
「結構コブがありましたよね。あれをまたげるくらい車高が高いクルマにしたら速く走れますよ。内側のタイヤをコブの内側に入れて、ロールさせても擦らへんくらい車高にしといたら、かなり稼げると思う。ただ、そうしたらターン3がすごい遅いと思うけどね(笑)
ーー他に気になったところは?
「ミッキーマウス。セクター3が非常に残念ですね。なんでこんなレイアウトになったんかな?っていう感じですね。これだけ使える敷地があるんやから、もっとコーナーを作っても良かったんじゃない?」
ーーピットレーンの入口もすごくタイトだよね。
「それはもうね、10km/hでも曲がっていくしかないんですよ、それがピットレーンっていうものやからね。これが曲がられへんかったら事件ですよ、鈴鹿のヘアピンも曲がられへんし、モナコのヘアピンなんかみんな刺さってますよ(笑)。ホテルにチェックインせなあかんわ(笑)」
ーーコンクリートゥオールに囲まれているだけに、FP-1で走るロベルト・メリにもぶつけないようにしっかり言っておかないと(苦笑)。
「そうですね、スペアパーツが少ないんで、ぶつけずにきちんとガレージに戻ってくることが大事やと思います。そんなこと言いながら鈴鹿では僕がぶつけたんでなんとも言えないですけどね(苦笑)。FP-2の最初から練習のつもりで少しずつ組み立てていって、FP-3には限界の走りができるようにしたいなと思ってます」
ーーパーツは補充されてない?
「ないです、何もなし」
ーー鈴鹿のFP-2で右側をぶつけていたらやばかったと言っていたのはスペアパーツがなかったということ?
「レースに出てなかったでしょうね。(右側のパーツが少ないのは)今シーズンここまでで右側のクラッシュが多かったのかもしれないですね。いつも以上にぶつけないように意識して走らないと。右側が潰れた瞬間に、僕は荷物まとめて帰ってますよ!(苦笑) 飛行機を変更して速攻で帰ったるねん!」
ーー今週末の目標は?
「今回も完走を目指すしかないですね。残念ながら鈴鹿と同じパーツの状態で走るしかないんでパフォーマンスは期待できないし、まぁ高速コーナーがないぶん鈴鹿よりは少しマシかもしれないですけど、厳しいレースになることは間違いないと思いますし、しっかり戦って完走できればなと思います。あとはプーチンさんを見られるってことで楽しみにしてます(苦笑)」
ーー去年モスクワに行ったけど、それと比べるとここはどう?
「いやいや、このイベントがなかったらここはゴーストタウンでしょ? うちのホテルもF1チームとかGP2とか相当泊まっても、まだ3棟くらいスッカラカンらしいですからね」
ーージュール・ビアンキの事故については?
「状況がクリアになっていないだけに、僕らもどういう気持ちで今週のレースに臨めば良いのか難しいですけど、とにかくまずはジュールに早く良くなってもらいたいし、家族やチームの人たちのことを尊重して僕らは祈ることしかできないと思います」
ーーあの時、雨のコンディションは悪かった?
「正直、僕はそんなに悪いコンディションじゃなかったと思いますね。スタート直後の方が明らかに酷かったです。だからFIAの判断は間違っていなかったと思います。ダブルイエローが出ていたということは本当はいつでも止まれるスピードでいくっていうのがルールですしね。ものすごく厳しくペナルティも取られますしね。僕も減速しましたよ。下手したらコース上にクルマが止まっているかもしれないわけやし、あそこはブラインドやから恐いですよ。だからそれで飛び出したっていうのはFIAがどうこうできることじゃないし、(ビアンキの場合は)全てが悪い方にいってしまってああいう結果になってしまったんじゃないかっていうのが今言える全てやと思いますね」
ーーダンロップの11番ポストの旗が見えにくかったということはない?
「間違いなくないと思います。ダブルイエローは目視できたし、LED表示は周りが暗い方が見えやすいくらいですしね。それが言い訳にはならないですよね。(12番ポストで)グリーンフラッグが出てたっていう話もありましたけど、事故現場の後でグリーンを出すっていうのはルール上明確なことですし、何も間違いはないと思いますしね」
(text and photo by 米家 峰起)
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