【SF LIFE】第2戦オートポリス決勝後トップ3会見ノーカット版
土曜・日曜ともに雨に見舞われ、土曜の予選が中止となって日曜の朝に予選が行なわれることになったスーパーフォーミュラ第2戦オートポリスラウンドだが、日曜予選のコンディションも非常に悪く、どのドライバーも本格的な走行ができないままスターティンググリッドが決められてしまったことや、決勝直前になっても正式結果が確定していなかったことなど、レース運営全体に対する批判の声が高まった。
各ドライバーとも慎重に言葉を選びつつも、今後に向けてしっかりと話し合う必要性があると問題提起。星野一義監督もウエット・ドライに関係なく予選方式に問題があると語った。
――関口選手優勝おめでとうございます。今週は非常に難しいレース週末でしたけれども見事優勝されました。今のお気持ちをお聞かせください。
関口「今日は16位スタートということで、厳しかったんですけど、その前に今日の朝の予選でほとんどアタック出来ない状態で予選が終わってしまって、みんなもそうだったと思うんですけど、特に僕は本当に1%も実力が出し切れなくて。赤旗中の記録でタイムマスッ小の人がいたので16番スタートになりましたけど。さっきのテレビのインタビューでも言ったんですけど、毎回勝つつもりでやってますが特に今回その思いがいろいろあって強かったんで、16位でしたけど絶対に諦めない、優勝してやる!っていう気持ちを強く持って戦っていました」
――続きまして優勝チーム監督の星野一義監督お願いします。
星野「実際(予選は)関口選手が16番手、平川選手が19番手、だから優勝を意識すると言うよりは、関口、平川には『チームインパルらしく思い切りぶつかって行けと、順位は後から付いてくるから』と送り出したら、想像を超える走りをしてくれて、(関口が加入して)一番最初の菅生を思い出したような走りでしたね。ちょっと500ccくらい排気量アップしたようなくらいの速さだったし、それはもう(速すぎて)走っててただ何もないことを祈るような状態でしたね。1号車の山本選手とのタイム差を気にしながら、ピットインしてミディアムに交換するからマージンもちょっと欲しいと段々と欲が出てきて、周りには『焦るな焦るな』って言っていながら僕が一番焦ってたんだけど(笑)、本当に今日はドライバーの頑張りにつきると思います。ありがとうございました」
――続きまして今シーズン2戦連続の表彰台に乗られました山本選手。おめでとうございます。よろしくお願いします。
山本「まず予選でクラッシュしてしまって、チームに申し訳ないことをしましたし、決勝までにクルマを完璧に戻してただいたことを非常に感謝をしています。また、マルケロフ選手がクラッシュした際に、パーツがオフィシャルさんに当たって、その後の容態が心配だったんですけど、大丈夫とのことだったので安心しました」
「今日のレースは、レースの内容うんぬん……ということよりも、非常に僕が言うのも生意気かもしれませんが、いま一度レースの運用方法をもう一度みんなで見直す必要があるなと感じました。それは決してJRPと審査員(スチュワード)を批判しているのではなく……今日のコンディション(予選時の話)について外から見てあれこれ言うのは簡単だと思うんですけど、実際に判断をする人は凄く大変で判断も凄く大変だったとは思うんですけども、ただやっぱり(関わっている人たち)それぞれが『こうした方がいいんじゃないか?』って思うところはたくさんあると思うので、そういう意見を集めて、いま一度より良いシリーズにするために……ドライバー達にもそうですし、チームのためにも、そしてお客さんのためにも、いま一度話し合う必要があるのかなと思ったレースでした」
「レースの内容に関しては、グリッドが後ろだったということで上位にいたらなかなか採りにくい(ギャンブル的な)作戦を採ることができたのがこの順位に繋がったのかなと思います。2戦連続で勝つことはできなかったけど、この位置にい続けられていることが今後非常に大きな意味を持ってくるのかなと思いますし、非常に良いレースだったかなと思います」
――続きまして3位表彰台を獲得されました、大嶋和也選手お願いします。
大嶋「3位ですけど、素直に嬉しいです。復帰して3シーズン目ですがこれまで2シーズン本当に苦しい思いをしてきましたけど、今年から阿部エンジニアが入ってきてくれて、今回は持ち込みセットアップから今までに感じたことがないようなグリップで、ちょっとビックリするくらい良くて『今週は行けるかな?』と思っていました。予選があんな展開になってしまって、また中盤からのスタートで悔しかったんですけど、決勝は作戦も当たってラッキーな部分もあったんですけど、セーフティカーの後に自分の力でオーバーテイクをできたことで良い結果を手に入れることが出来たので、チームに感謝しています」
――関口選手に伺います。序盤にセーフティカーが入った時に関口選手含めて数台がステイアウトしたんですけど、あのステイアウトという選択はスタート前から決めていたんですか?
関口「今回は日曜の午前中に普段とは違うスケジュールで予選が行なわれたり、予選から決勝に向けて天候が変わって、どういうセッティングにするかとか結構ドタバタしてて、正直スタートタイヤをどっちで行くかも戦略ミーティング終わった後にギリギリで変更してやったくらいでした。なのでセーフティーカーが入った時にどうするかってのは、最後グリッドでなんとなく決めて、ドライバーは(レースの全体像が)見えないとこもあるんで、後はエンジニアの方でデータを見てもらって外から客観的に見てアドバイスくださいとお願いしました。(セーフティカーが入った時も)最終セクターに入っても無線でずっと『どうする? どうする?』って、聞いていたくらいで、そこで『ステイアウト』って言われたんで、チームの判断に従いました」
――そこから逃げていく展開になりましたが?2年前の菅生で同じような展開で勝ったの時の経験が自信になったのでしょうか?
関口「それは関係ないですね。まず前に国本選手がいたので、最低限でも彼を抜かないとこの作戦が良かったとしても優勝出来ないんで、まずは同じ作戦のクルマを抜くのが第一目標で、もう死ぬ気で行かないとダメだと思って行きました。それを抜いたら、次はピットに入っていなかったのでギャップを広げないと逆転されてしまうので、後ろに対してピットに入れるギャップ、それが35〜40秒くらいなんですけど、それを作ってからもさらに(後方のソフト勢に対してミディアムで走らなければならない分の)ギャップが欲しいんで頑張ってそれを作りました。レースの前半、中盤、後半で目標が常に常に変わっていくレースでしたね」
――3選手にお伺いします。決勝直前になるまで予選の正式結果が出ないままグリッドへ向かうことになりましたが、その時のお気持ちをお聞かせ願えれば。
大嶋「僕は自分が速く走ることしか考えてなかったです。グリッドは決まっていませんでしたけど、(実際に並ぶ段階になったら)並ぼうと思ってた場所より1個前なんだ?っていうくらいで、全然気にしてなかったですね」
山本「僕もグリッド上で暫定結果しか出ていないのは、聞いていたので……う〜ん……ただ……大嶋選手も言ってましたけど、ドライバーはグリッドに並べられてレースがスタートするとなったら行くしかないですから、じゃあそこで『正式結果が出てないから僕はレースしません』とは言っていられないし行くしかないんですけど……まぁそういうところも含めて、いま一度、本当にこの選手権が世界に誇れる選手権だと胸を張って言えるようなシリーズの運営と運用方法を、みんなで知恵を絞って(考え直す必要があると思います)。正直、今日のコンディションで朝に予選をやらなかったら決勝どうするんだって話になってたと思うんですよね。個人的には(あのコンディションで)予選をやらせるのはどうなのかという意見もありますが、ただあれも予選をやらなければ決勝のスターティンググリッドどうするんだという話にもなっていくし、これが良い経験になったと思うので、こういったシチュエーションが起きた時に次はどうすべきなのか、いま一度しっかりと見直す必要があるかなと思いました」
関口「細かいことはノーコメントにしたいんですが(苦笑)、大雑把に言うと今日の予選に関しては僕は本当に1周もアタック出来なくて、僕以外も半分以上はアタック出来てないと思うんですよね。まぁ僕が出たマカオGPでもアタックしようとしたら赤旗で終わっちゃうとかよくあるんですけど、今回は40分間あっても1周も本来の速さで走れない中で予選順位が決まってしまうってのは正直初めてのことだったし、ギャンブル的要素が多すぎて……運も実力のうちという声もありますけど、今回の予選はちょっとそっち(運)に偏り過ぎていたかなと感じたってのが、正直な気持ちです。今後どうするのかってのは本当に、山本選手も言ってましたけど、怒るんじゃなくてみんなで話し合ってみんなが納得いくようなルールに変わればいいなと思います」
星野「こういったことがある前に、鈴鹿のドライの予選の時も温度とタイヤのマッチングの中で7分っていうまだタイヤが温まる前にアタックしなくてはいけないというような状況の中でよーいドンしてクラッシュが5台も6台もボンボン起きてるわけですよ。それについて疑問を持っているんですけど、タイヤウォーマーは経費や人件費がかかるから辞めようと言ってたのがいまやハウス(ファクトリー)に行ったらみんな持ってるわけだから、そんな人件費も経費も負担にはならないんだから、タイヤウォーマーを使うぐらいしないと。コントロールタワーにいる中で(判断できるかどうか分からないけど)外にいる僕自身が震えているような寒さの中で、あの温まらないの状況の中でタイムを出さなくてはいけないっていう博打みたいなことは、僕はドライバーの経験があるから分かるけど、それでもレギュレーションだから行くしかないっていうドライバーの心理ってのは半分自殺行為だし、あれで当たってる人はいいけど、外れた人はとんでもないし、全てにおいて考え直すところがある」
「だから山本選手が言ったようにこれはひとつずつ話すのではなく第3戦に行く前に絶対に全チームが集まって、全部文章で作って、全部(話し合いを)やらないと。予選でウチが19位20位って、全く力が出せていないのよ、全く出せないの! まだアタックする前に終わっちゃうんだもん。力を出してからの順位ならいいけど、力を出す前の順位なんだから。これはもう全部、不満! 山本選手もそうだろうけど、これは選手も全員不満だと思う! ウチは結果的に優勝したけど、言いたいこと一杯ある。話すと長すぎるんで今日はここまでにして、考え直すってはこっちでやろう。今日はなんたって(主役は)ウィナーだから、申し訳無い。ただ俺も力になるし、頑張ろう」
――山本選手と大嶋選手、2人は1周目にピットインしたんですけどその後セーフティカーが出て8周目にレース再開となりましたが、その地点で燃費的にはどうだったんですか?最後まで行けると確信はあったんですか?
大嶋「僕は1周目にピットインして給油はせずなるべく速くタイヤ交換をして前に出ようという戦略だったんですが、余裕はなかったんですが計算上は燃費性能的にも足りるということだったので」
山本「まず(燃費的には)1周目に入ってもギリギリ足りるかなという勝算はあったんですけど、自分がいる順番が順番だったので順当な戦略で行っても勝ち目がないと思ったんで、セーフティカーが入るのを頼みにしてちょっとギャンブル的な感じで(1周目に入らず)ステイアウトして。その後にセーフティカーが入ったことで、しかも(そこまでに)結構な周回重ねられたこと燃費は気にしないで済みました。僕はそこで給油もしたので給油をしなかった大嶋選手に逆転されちゃったんですけど、結果的にはそこから燃費を気にしないで済んだのでその後にああいうペースで走ることができた(のが良かった)という感じですね」
――関口選手に確認したいんですがトップに立ってからはずっと1分31秒台〜32秒フラットらいで走っていましたが、37周目だけ1分33秒台でまたすぐに戻してるんですけどその周は何があったんでしょうか?
関口「僕のクルマは結構オーバーステアで周回するにあたってリアタイヤがタレてきて何度かハーフスピンのような本当にヒヤッとする場面があったんです。去年までのクルマだと特にレースではあんなにピーキーな動きはなかったんですけど、それを上手く修正できて最小限に抑えられた周と抑えられなかった周があったので、多分33周目は外側まで行っちゃってラインを外してロスしてしまったんだと思います」
――ミディアムタイヤに交換してからもソフトとあまり変わらないタイムが出ていましたが、残り2周で1分35秒台ガクッとタイムが落ちたのはなぜですか?
関口「(フロントタイヤに拾った)タイヤカスが内側に寄ってきてしまって、専門用語で何と言うのかちょっと分かりませんけど、とにかく普通じゃない状況だったのでマージンを持って走っていました。それと風の影響もあって100Rとかジェットコースター先の右高速コーナーあたりではクルマがフラフラしていたので、そこで何かあると大変なので少し抑えて走っていたというのもありましたね」
――山本選手が追いかけて来ている中での、ミディアムのアウトラップはいかがでしたか?
関口「アウトラップは温まり悪かったかなという感じですね(笑)」
――関口選手はレース直後のインタビューで『今日はどうしても勝ちたかった』と話していましたが、何か理由があったのでしょうか?
関口「勝ちたいのは毎回そうなんですけど、今年はSUPERGTで中止があったりとかトラブルがあって結果が出ていなかったし、SFの方も鈴鹿で速さはあったんですけどトラブルでリタイヤってことでちょっとムズムズしてたので、今回はどうしても勝ちたかったんです。チャンピオンシップという意味でもGTは8戦あるけどこっちは7戦しかないし、これでもう2戦落とすと『2/7』って分母が7しかないから大きいじゃないですか。チャンピオン目標にしているんで、そういった意味で今回は勝たないと後がないなって思っていました」
(text by TARO / photo by 南博幸)
よねやんのパワー、もったいない感。
ここ?
この記事はTAROさんですよ〜。僕は土曜日だけで日帰りで帰ってきちゃいました。
いろいろと根本から見直す必要があるんでしょうね……
GTアソシエイションさんに運営を任せちゃった方がまだ良いような気もします