【短期集中連載】①リフト&コースト1回で数gの燃料セーブ
最近ではすっかりあちこちで耳にするようになった“リフト&コースト”について、改めておさらいしておきましょう。
“リフト”とはスロットルペダルを戻すこと、そして“コースト”とは惰性で走ること。つまり、スロットルを戻して惰性で走ることを意味します。そうすることで燃費をセーブすることができるのです。
燃費をセーブするなら、立ち上がりでスロットルを強く踏み込まないとか、空燃費を薄くするとか、高い回転数まで引っ張らないでショートシフトでシフトアップするといった方法も考えられます。
それなのに、どうして“リフト&コースト”がこれほどまでに多用されるのでしょうか?
それは、リフト&コーストが最も効果的な燃費セーブ法だからです。つまり、ラップタイムロスを最小限に留めながら、できるだけ多くの燃費を稼ぐことができるのです。燃費の厳しいサーキットでは100kgの燃料でレースを走り切るために燃費セーブが必要で、それを最も効率よく実行するのがリフト&コーストなのです。
スロットルを戻すだけで市販車の急ブレーキに匹敵
1回のリフト&コーストで数グラムの燃料をセーブ可能
リフト&コーストとは、ドライバーがストレートエンドの本来のブレーキングゾーンよりも手前でスロットルをオフにしてコーナーに飛び込むことです。
この間、マシンは車体とタイヤの空気抵抗だけで減速していきますが、マシンが300km/hで走行している時には非常に大きな空気抵抗が発生しており、その減速度は市販車の急ブレーキに匹敵する0.9Gと非常に大きなものです。それを経てドライバーはブレーキングゾーンで本来のブレーキングを行ないコーナーに入っていきます。通常のコーナリングとは大きく異なるこの作業がリフト&コーストと呼ばれるものなのです。
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