【アプレゲールですいません。】Amazonのマクラーレン・ドキュメンタリーに隠された欺瞞
Amazonがマクラーレンと提携して制作されたドキュメンタリー『GRAND PRIX DRIVER』がついに公開されました。年会費3900円のAmazonプライム会員向けのプライムビデオで視聴できるので、僕も恐いもの見たさで(苦笑)見てみました。
ちなみに、Amazonをそれなりに利用する人ならAmazonプライムは間違いなく入っておいた方がお得だと思います。通販の配送は格段に速くなるし、プライムビデオだけでも月額にすれば325円。自宅でダウンロードしておけばネットに繋がらなくても見られるので、僕もiPadで飛行機の中などで見たりしています(日本でしか繋がらないので海外ではストリーミング視聴もダウンロードもできません)。
全4話で計2時間。見てみた感想は「これF1に興味ない人は見て楽しいのかな?」という感じ。興味あっても結構見るのはしんどいかも。ファクトリー内など貴重なシーンは多いけど、何を伝えたいのかハッキリしないし、内容と展開が結構退屈……。個人的には、同じAmazonオリジナルドキュメンタリーでも、プレイボーイ誌創刊者ヒュー・ヘフナーの物語の方がよほど学ぶことも多くて興味深かったです。
そもそもこのマクラーレンのドキュメンタリーって2017年3月29日に制作が発表されて、去年のオフシーズンと開幕前テストの2日間だけ取材した素材で作られていて、元々はストフェル・バンドールンが主役で、彼のF1デビューまでの舞台裏を追うっていうのがテーマだったと僕は聞いています。だから題名も『GRAND PRIX DRIVER』なんです。
それが、開幕前のホンダがあの体たらくでチーム内がゴタゴタしてきたものだから、こういう内容にシフトしてしまったのでしょう(それがAmazon側の意向によるものなのか、マクラーレン側の意向によるものなのかは敢えて詮索しませんが……)。
だからストフェルの素材を残しつつ、チーム内の不穏な雰囲気も……ということで、結局何が言いたいのか芯がないような作品になってしまったように感じられます。
あとひとつ付け加えて言うと、真実を語っていない部分が多い。
例えばこれ。「テストでメルセデスAMGエンジンは2681周を走行したが、マクラーレン・ホンダはたった425周しか走れなかった」というキャプションですが、メルセデスAMGは3チーム合計しての数字。嘘は語ってはいませんが、これは明らかに欺瞞です。
これはマクラーレンのリリースにもよく見られることですが、「嘘は言ってはいけない。しかし必ずしも真実を語る必要はない」というのがF1界の鉄則です。要するにそれは自分たちに不都合なことをわざわざ言う必要はないが、嘘は言ってはいけないというもの。上記のキャプションもそれに則ってはいるものの、普通は自分たちの不都合を隠すために使われるこの鉄則が、自分たちの悪印象をさらに強くさせるために使われているというところに違和感を憶えます。その狙いは、言うまでもないでしょう。
もうひとつ気になったのはこのシーン。メカニックがバルセロナのホスピタリティで食事をしながら「ALOはなんて言ってた?」「シビックより遅いってさ」「それより遅いかもね」「……(苦笑)」という会話をするんですが、2人の表情をそれぞれ別角度から2カメで撮っていて、明らかにヤラセ。30分番組のために3カ月は密着するという『情熱大陸』で、会話を2カメで撮っているところなんて見たことないでしょう?
ジャーナリストの会食なんていうシーンもありますが、そこにいるのは全てイギリス人で、その中心にいるジョナサン・ノーブルはMotorsport.comのF1エディターであり、Motorsport.comはザック・ブラウンが非常勤会長(Non-Executive Chairman)を務めるメディアであることを知れば、どれだけの人がこの会話を信用するでしょうか?
このドキュメンタリーには批判すべき点ばかりではなく、滅多に見ることができない貴重なシーンもたくさんあり、ファンならば見る価値はあると思います。しかし、明らかに視聴者をある一定の方向へ誘導しようとしている意図が隠されていることも認識しておくべきです。
というわけで、『F1LIFE』ではこのドキュメンタリーに散りばめられたエピソードを詳しく解説する記事(こちら)を掲載していますので、そちらも合せてご覧いただければこのドキュメンタリーがさらに深く楽しんで頂けると思います。
(text and photo by 米家 峰起)
「嘘は言ってはいけない。しかし必ずしも真実を語る必要はない」
それって、まさしくフェイクニュースの構図そのものですよね(汗)。
ホンダも世界に冠たる多国籍企業なんだから、「イギリスもEUから離脱することだし、この際、欧州の生産拠点を別の国に移しちゃおうかなぁ〜⁉︎」ぐらいのブラフをF1の場でかまして貰いたいですワ。
彼らのこういうやり口に対して、ホンダは「貝になる」という方針でしたからね。
メディア上での炎上を嫌ってのことですが、そのせいで世間にはホンダがマクラーレンの主張の全てを認めたと受け取られてしまったのが残念です。
今年もその方針は継続どころかさらに強化するようなので、ちょっと心配です。未だにグチグチ言ってる元嫁に反撃してもらいたいです。
日本的な思考じゃあ世界では通用しないよ。言うべき時に言わないと。
ホンダも世界企業なのにまだ分からないかね?
貝になる決定をしたのは化石の様な考えの持ち主ですなあ。
売られた喧嘩買えないのかよ??
黙っていると認めたことになっちゃいますからね。
自分の意見を言えない人間は意見のない人間だとみなされてしまいますし。
まぁ炎上よりも叩かれる方を取ったということなのですが……。