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【ドライビング短期集中連載②】ブレーキングは力強く、かつ繊細さが必要!

【ドライビング短期集中連載②】ブレーキングは力強く、かつ繊細さが必要!

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 シミュレーターに乗ってみて一番難しいと感じるのが、実はブレーキングだ。ブレーキというと地味な感じがするだけに、そう言うと意外な感じがするかもしれないが、これが本当に難しい。

 

 スロットルの回でも紹介したが、改めてブレーキングに注目してこの国内の某プロドライバーの走行シーンをご覧頂きたい。

 

 

 

 まず最初に100%ガツンと踏んで、そこからジワジワッと戻して行っているのが分かるだろうか。

 

 これがレーシングマシンのブレーキングだ。特にF1やGP2のようにカーボンブレーキならばなおさらこうなる。最初に100%の踏力で踏み込んでブレーキを熱して摩擦力を発揮させる。しかしそのまま踏み続けると簡単にタイヤがロックしてしまうので、減速に合わせてブレーキペダルを踏む力を弱めていかなければならないのだ。だから二重の意味で難しいのだ。

 

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 このロガーデータを見てほしい。一番上の赤ラインがブレーキペダルの開度だ。最初に100%踏み込み、そこからタイヤのグリップレベルに合わせて少しずつ戻していっているのが分かる。もちろん、同時に左手ではシフトダウンも行なわなければならない(一番下の紫ライン。ちなみに緑ラインがステアリング舵角、黄ラインは横Gフォース)。

 

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 そしてもうひとつ難しいのが、レーシングマシンのブレーキペダルは重いということ。左脚に力を込めて思いっきり蹴飛ばすよう踏まなければ、100%踏み込むことはできない。TVのシミュレーターでもこれは同じだ。

 

 ブレーキングが上手いと言われるフェルナンド・アロンソに聞くと、「F1での初期踏力は最大で160kgの力だ」という。「ジムでは180〜190kgの力を出すことも出来る。でもそれは1回切りの踏力であって、実際には1ラップで8回も9回ものブレーキングが必要になる。1レースでは数え切れないほどの回数になるから、大変だ」。

 

「最初の”キック”が重要なんだ。ありったけの力をペダルにぶつける。そしてコーナーが近付いて来たらプレッシャーを弱めてペダルを戻していくんだ。でなければ、タイヤがロックしてしまうからね。まず初期踏力をかけてから、ブレーキのフィーリングを感じながらどのくらい力を残すべきなのかを判断していくんだ」

 

 当然、ブレーキのフィーリングは走行を重ねるに従ってブレーキの摩耗やタイヤのグリップレベル変化によって変わってくる。F1ならMGU-Kのチャージ状況によってブレーキバランスも変わる。こうした様々な要素を身体で感じながら、ブレーキングを刻々と変えていかなければならないのだ。

 

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 一度シミュレーターでこのブレーキングを体験してしまうと、オンボードカメラの映像を見ていてもつい左脚に力が入ってしまう。ブレーキングと同時にドライバーの肩とヘルメットが沈み込んでいるのもはっきりと分かり、簡単に走っているように見えても実はこの瞬間にものすごい力と戦っていることを実感してしまう。

 

 ピレリタイヤの特性についてよく非難の声が聞かれるが、それはこの初期踏力でロックしやすいがために、限界まで攻めづらく”ほどほど”のブレーキングを強いられること、そしてペダルを戻していく際にも難しさがあるという素性のせいだ。シミュレーターでレーシングマシンのブレーキングを体感すれば、そういった感覚的な部分も理解することができるだろう。

 

 ひとくちに”ブレーキング”といっても、それはただペダルを踏むというだけのことではなく、そこには複雑な要素が存在しているのだ。

 

 東京バーチャルサーキットでのシミュレーター体験映像はF1LIFEのYouTubeチャンネルでご覧頂けます。

 

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(text and photo by F1LIFE)

 

 

 

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