REGULAR【連載】

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 グランプリ本番の時はF1公式ウェブサイトでもライブタイミングが配信されているので、タイミングモニターというのがどういうものなのかはファンの皆さんもご存じだと思います。

 

 でも実は、サーキットではウェブサイト上で配信されていないタイミングデータも見られるようになっています。ウェブで公開されているのは2ページだけですが、サーキットでは4ページ分のタイミングモニターが用意されているんです。

 

 今回はテストの現場で使用されているタイミングモニターを紹介しましょう。

 

 テストの時はグランプリ本番と違って、TSL(TIMING SOLUTIONS LTD)という会社が計時を担当していて、お馴染みの黒画面とは異なる青ベースの画面で配信されています。内容は基本的にグランプリ本番の時と同じものが表示されていますが、少しだけ細かく情報が追加されている部分もあります。

 

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 まず【ページ1】は、グランプリ時にウェブサイトで配信されているその時点での順位。表示項目は左から順に、順位、カーナンバー、走行中かどうか、ドライバー、自己ベストタイム、トップからの差、ひとつ上からの差、周回数、現在のラップタイム(赤字はピットイン中)、各セクターの更新状況(紫は最速、緑は自己ベスト、赤はインラップ)。

 

 画面下には現在時刻とセッションの残り時間、フラッグの状態(グリーンかレッドかチェッカー)が表示されています。

 

 が、実はテスト中はあまり見ることはなかったりする画面です。それだけテストではベストタイムはあまり気にしていないということですね。

 

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 【ページ2】は各ドライバーの現在のラップのセクタータイムと、通過速度、それから右端が現在のラップタイム。コースインした場合はセクター1のところに白字で「OUT LAP」、ピットインしている場合はセクター3のところに「IN PIT」と赤字で表示されています。

 

 チームによっては再ボードを出すところのモニターをこの画面にしています。決勝とは違って前後とのタイム差は必要ありませんし、ラップタイムを掲示することも稀です。サインボードではこのランが残り何周かという情報だけをパネルで掲示するので、自チームのマシンがサーキットのどこを走っているかが分かりやすいこのモニターの方が重宝するということですね。

 

 個人的な趣味の問題でもありますが、僕はこの画面はあまり見ません。

 

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 【ページ3】は気象情報。右上(赤)が気温、その下(黄)が路面温度、左上(青)が湿度、その下(緑)が気圧で、その下が降水量(バーレーンなので0)。右下のメーターは、風速と風向きです。

 

 グラフはそれぞれ過去2時間の推移が表示されています。これも、なくてはならない情報ではあるものの、あまり見る機会はない画面ですね。

 

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 そして本命がこちらの【ページ4】。マシンがコントロールラインを通過するごとに順に各マシンの各セクタータイムと通過スピード、ラップタイム、周回数を表示していきます。下から上へとどんどん流れていきます。この画面で言うと、いまリカルド(RICC)がコースインしてアウトラップを終えたところで、その後ろにはクビャト、ロズベルグが走行していることが分かります。

 

 僕はテストの時はこの画面を見て、どのマシンがどのくらいのラップタイムで走っているかを確認していることが多いです。レースペースを見る場合には、この画面を見ながらラップタイムをメモしていき、ピットインしてタイヤ交換をしたら、ピットウォールから履いたタイヤを確認しておくわけです。

 

 その下にはレースコントロール情報。何時何分に赤旗が提示されたかとか、どのクルマがどこでストップしたといったような情報が表示されます。

 

 タイミングモニターはこの4ページだけですが、それ以外にもコースの各所に設置された固定カメラの映像も見ることができます。ただし、テレビ中継のようにクルマに合わせて動いたりフォーカスしたりはしません。

 

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 機能的にはいずれかのマシンを追って次々とカメラを切り替えていくこともできる(「FOLLOW ME」機能)んですが、大勢の人が見ているメディアセンターですから、そういうことは滅多にしません。せいぜい、空いている画面にこうやっていくつかのカメラ映像を表示させておくくらいですね。ヘレスの場合はクルマが停まった際には管理者が手動でズームしてくれたりするのですが、バーレーンではそんな気の利いたことをしてくれるスタッフはいなかったようです。

 

 といった感じで、我々はこういうデータを見ながら取材をしているわけですが、もちろんタイミングモニターだけではタイヤも分からないし、ガレージのスタッフたちがどう動いているか、クルマにはどんなパーツやセンサーを付けてテストしているかは分かりません。ですからピットレーンにいて、各チームのピットウォールに表示されているこうしたタイミングモニターの情報をチェックしつつ取材をするんです。

 

 各チームはこうしたモニター以外に、コース上のどこを誰が走っているかというGPSマップデータや独自のテレメトリーデータなどを表示していますし、表示しているタイミングモニターのページもそれぞれ違っていたりするので、時々ピットレーンにいて“タイミングモニター難民”になったりするのです。グランプリ本番の時は走行後に全車の全ラップタイムがFIAから提供されるので良いのですが、テストの時はそれもなく自力でメモするしかないので、なかなか大変なのです。

 

(text and photo by 米家 峰起)

 

 

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Comment

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  • コメント (1)
    • teri-one
    • 2014年 3月 07日

    なかなか興味深いお話で面白かったです。一般人にも公開されないかなぁ。

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