【アプレゲールですいません。】トヨタの”WRC批判”じゃなくて”会見批判”です。
またバルセロナ取材の間に随分と更新が滞ってしまったこのブログですが、大分前に書いたこの記事が批判を浴びているらしいということで、フォローしておこうかと思います。
【アプレゲールですいません。】トヨタの章男ちゃんWRC発表会
(http://members.f1-life.net/regular/49761/)
僕個人はWRCも大好きだし、昔大変お世話になっていた出版社ではラリーの専門誌も出していて同じ場所で編集もしていましたから、WRCの取材に行かせてもらったこともあります(2004年のオーストラリアとか2005年のラリージャパンとか)。その魅力はよ〜く知ってるつもりだし、実際今年もWRCの公式サイトで年会費を払って見てますしね。
もちろんトヨタが活躍した1990年代のWRCも見てるし、今回のWRC復帰も応援してますよ。そもそもこのクルマってF1を撤退した後の不遇な状況下に置かれたTMGで、木下美明さんたち有志が勤務時間外で開発したヴィッツがベースになっているわけだし、応援しないわけがないですよ。
上記のブログ記事で言いたかったのは、あの会見はないやろ、ということです。
ガズーレーシングの発表会といってあれだけの人を集めておいて、会見の9割以上がWRCっていうのはおかしいですよ。トヨタはWECもやってるしGTもやってるしスーパーフォーミュラだってやってるし若手育成だってやっているわけですから。この写真を見ても分かる通り、これだけ色んなクルマが同列に並んでいる中で(この手前にはスーパーフォーミュラや全日本ラリーなどもありました)、WRCの話しかしなかったんですよ?
そりゃWRCを取材に来た人も多かったかもしれないけど、それ以外の取材に来ている人もたくさんいるわけで。もちろんトヨタの発表会だから自分たちが言いたいことを言いたいように伝えるのは当たり前なんだけど、こういうのってギブ&テイクだから、取材に来ている人やネット中継で見ている人が見たい知りたいと思うことに答える義務もあると思うんですよね。あなたの興味のあることも含めてこれだけいろいろやりますんで、興味ないことも見ていってくださいね、っていうのが筋でしょう。
「WRC体制発表会」とか「モンテカルロ報告会」って銘打って開いた会見だったら、誰も文句は言いませんよ。でも「ガズーレーシング体制発表会」として開いているわけですから。
多分、あの会場にいたほとんどの人が「なんじゃこりゃ?」と感じたと思いますが(そういう話もあちこちから聞きました)、何らかのかたちでトヨタさんとお仕事のつながりがある人は文句も言えないでしょうし、自動車業界に限らずトヨタさんと無関係のメディアなんてほとんどないでしょうから……。
というわけで発表会に対して苦言を呈したんですが、僕がトヨタのWRC活動をディスってるとか拡大解釈されてしまうのはどうも納得がいかないので、こういうフォロー(というか説明ですね)をしてみました。
どんなかたちであれ日本の企業が世界選手権で戦うこと、そこで勝つことは素晴らしいことだと思います。それがトヨタであろうとホンダであろうと、日本人として嬉しいことです。
トヨタだからどうとかホンダだからどうとか、そんなこと言ってる時点でおかしいと思います。SFやGTの場ではライバルですが、別にそれ以外の場所では(モータースポーツ活動に関しては)両社ともお互いに戦ってるとも思ってないだろうし、意識もしていなければけなそうとも思ってないですよ。むしろホンダの2月13日の発表会でステージに立った山本雅史モータースポーツ部長は「トヨタさんのWRC優勝はすごいと思ったし、台本にはなかったけど敢えて言って賞賛しようかと思った」とおっしゃってましたしね。
僕はWRCで戦ってるトヨタさんのことも応援してますよ。今のマクラーレンに言われっぱなしのホンダのF1活動を見ると、ある意味では、あれだけ社長の意志というものがハッキリと前面に出て活動しているというのも良いことだと思いますしね。
(text and photo by 米家 峰起)
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